読書の日記 --- READING DIARY
 ⇒読書日記BLOGへ
  schazzie @ SCHAZZIE CLUB



 <Magic Tree House> 1〜4/Mary Pope Osborne

Dinosaurs Before Dark (Magic Treehouse, 1)
Book Description

本文中のイラストは白黒。事実とユーモアと空想の世界を面白おかしくミックスした物語。魔法のツリーハウスを見つけた兄妹ジャックとアニーは、気がつくと6500万年前の世界にタイプスリップ! そこは、恐竜と火山と冒険の世界だった。本を開くことで、子どもたちは好きなところへ行き、どんなに離れた場所でも見られる魔法を手に入れる。そんな「読書の力」を、経験豊富なストーリーテラー、メアリー・ポープ・オズボーンが、ツリーハウスの中に置かれた本という形で物語に取り入れた傑作。


主人公はジャックとアニーの兄妹。恐れを知らず、想像力たくましい、「〜ごっこ」が大好きな、冒険好きのアニー。一方ジャックは物知りで賢く、冷静に筋道を立てて考える理論派。この兄妹の対比がはっきりしていて、それがまた物語の進展に大きな役割を果たす。

二人はある日、家の近くの森でツリーハウスを見つける。誰が作ったののやら、中には本がいっぱいあって、ちょうど出ていたのが恐竜の本。不思議に思っているうちに、ツリーハウスが揺れ始め・・・。

振動がおさまって、外を見てみると、シダや丈の高い草が生い茂っている。何か変だと思うまもなく、そこに翼竜プテラノドンが登場!これは夢だと思ったが、それにしては妙にリアルだ。それからツリーハウスの外に出た二人は、トリケラトプスやティラノサウルスなど、6500万年前の恐竜に遭遇する。アニーはすっかり恐竜に夢中で、プテラノドンともすっかし仲良くなってしまう。圧巻は、ティラノサウルスに襲われそうになったジャックを救うプテラノドンだ。この部分は単純にドキドキしてしまう。

そうしてツリーハウスに戻り、アメリカの地図を出し、二人の家のあるフロッグ・ポンドの地図を見ながら「家に帰りたい」と願うと、あら不思議!窓の外はちゃんと家の近くの風景に戻っていた。この間、時間は経っていない。つまり、ツリーハウスで時間と空間を越えて旅をしても、実際に生活している場では全く時が経っていないのだ。

さて、6500年前の太古の地で、ジャックは「M」という文字の入ったメダルを見つける。誰かが自分たちの前にここに来たのだ。その謎は次回に持ち越される。

これは<Magic Tree House>シリーズの1巻目だが、先に29巻目を読んでいるので、すでに「M」とは誰かわかっている。でも、こんなツリーハウスがあったらいいなあと、素直にわくわく、ドキドキしてしまう。子どもの興味を大いに刺激する、楽しい読み物だ。


The Knight at Dawn (Magic Tree House, 2)

今回は(といっても前回の翌日)、中世のお城へ。お城の大広間の宴会を覗き見していたジャックとアニーは、怪しいものと思われて、城中を追いかけられる。秘密の狭い抜け道を通り抜けると、城の周りの濠に落ちてしまい、そこにはなんとワニが!それを助けてくれたのは、正体不明の騎士。再び魔法のツリーハウスでフロッグ・ポンドに戻って来たが、ジャックの手には本にはさんであったしおりがあり、そこにも「M」の文字が・・・。

ジャックとアニーの性格が、さらにはっきりと描かれていて面白い。何事にも慎重なジャックと、口より先に行動してしまうアニー。それがいいこともあれば、災難を招くこともある。それにしても、アニーは7歳。すごく頼もしい7歳だ。


Mummies in the Morning (Magic Tree House, 3)

ツリーハウスの窓から、黒い猫が見えた。今度は(また前回の翌日)エジプトの本が開かれていて、ジャックとアニーはエジプトへ。ピラミッドの中で、古代の王女の幽霊に出会う。彼女は生き返るための「死者の書」を千年もの間、探しているのだという。そこでヒエログリフを解読して、「死者の書」を探し出す二人。す、すごい!それもすごいが、いきなり薄暗いピラミッドの中で、幽霊に会っても全然驚かないジャックとアニーって、かなり肝がすわってるという感じ。むしろ子どもだから、不思議なものでも何でも受け入れられてしまうんだろうか。偽の通路に入り込んでしまい、出口がわからなくなってしまった二人だが、窓から見えたあの黒猫の導きで、どうにか出口にたどりつけた。

さて今回は、「M」のついたものがなかったとジャックが思っていると、魔法のツリーハウスの床に「M」の文字。やはりこのツリーハウスは、正体不明の「M」さんのものなんだろうか?とほぼ確信に近い思いを抱き、明日メダルとしおりを返さなくては!と思う。



Pirates Past Noon (Magic Tree House, 4)

再び前回の翌日。今日は雨である。しかし昨日、メダルとしおりを返すと口にしてしまったため、雨の中をツリーハウスに向かうジャックとアニー。床には南の島の本。こんなうっとうしい雨ではなく、降り注ぐ太陽と青い海のもとに行けたらいいなと思っていると、窓の外に緑色のオウムが・・・。そして、ツリーハウスが揺れ始めた。

着いた所は、まさに青い空、青い海の南の島。どうやら無人島のようだ。だが、沖のほうから近づいてくる船がある。掲げてあるのはドクロマークの旗。「カリブの海賊」である。逃げようとした二人は海賊につかまってしまい、地図を見せられる。それはキャプテン・キッドが隠した宝の地図だった。

地図を読み解いて、宝のありかを海賊に教えるが、折りしも大きな嵐がやってくる。ツリーハウスの窓から見た、緑色のオウムが危機を救ってくれたのだが、フロッグ・ポンドに戻ってみると、オウムはまだそこにおり、みるみるうちに人間の姿に!それはなんと、アーサー王の姉、モルガン・ル・フェイであった。つまり、「M」とはモルガンのことだったのだ。

モルガンは魔女として知られているが、実は時空を超えた図書館の司書でもあり、魔法のツリーハウスを使って、さまざまな時代の本を集めているという。この魔法のツリーハウスは普通、他の人には見えないが、ジャックとアニーだけには見えたので、二人にもモルガンの魔法がかかったというわけだ。「M」の正体がわかり、彼女に別れを告げ、魔法のツリーハウスも消えうせ、ひとまずここでひとくぎりといった感じ。

どの巻を読んでもテンポがよく、サスペンスにあふれていて、退屈しない。子どもの読み物ではあるが、ここで感じるわくわく感は、年齢を問わないだろう。夢がふくらむ楽しいシリーズだ。現在31巻まで出ているが、子どもだったら間違いなく全部読みたいと思うだろう。次の巻が待ち遠しいに違いない。それと基本的には、ジャックとアニーが行くのは実在の場所で、それについての説明もあるので、勉強にもなる。


2003年12月29日(月)
Copyright(C) 2000-216 SCHAZZIE All rights reserved.
初日 最新 目次 MAIL HOME


↑参考になったら押してください
My追加

Amazon.co.jp アソシエイト