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 King Solomon's Mines/H.Rider Haggard

※画像はTor Books版

内容(「BOOK」データベースより)
二千数百年まえに栄華をほこったソロモン王の秘宝が、アフリカの奥地にねむるという。ふしぎな現地人・ウンボパたちとともに、古地図をたよりに「知られざる国」をめざした三人のイギリス人。焦熱の砂漠と氷の山を、死ぬ思いで越えた彼らを迎えたものは?未知の大陸への思いをかきたてた、秘境探検小説の記念すべき一作。


<Peter Haddock版>

Amazonで邦訳を買おうと思ったら、日数がしばらくかかりそうなので、手元にあるPeter HaddockのRetold版で読むことにした。とりあえずあらすじはわかるし、内容が気に入ってちゃんと読みたければ、原文ならウェブ上のグーテンベルグで無料で読めるし。

このPeter Haddock版は、見開きの右側に必ずヘタクソな挿絵が入っていて、電車の中などで読むのは恥ずかしかったりするのだけれど、読んでいると意外にもこの挿絵が助けになったりする。特徴のないどうでもいいような絵なので、イメージも固定しないのがいい。文庫サイズのかわいらしいPBで、以前は100円台で買えたのだが、今では一律500円で手数料のほうが高く(Amazonで)、わざわざこれを買わなくても、Retoldでないちゃんとした本が買えてしまう。でも、これは持っているだけでも楽しい本なので、一律500円になる前に、可能な限り入手しておいて良かった。


<読了>

冒険活劇として、とても期待していた作品だが、なにしろ児童向けのリトールド版だから、省略の多いこと!とはいえもともとの原文を読んでいるわけではないので、どこがどう省略されているのかもわからないが、なんといっても物語の展開が早い!砂漠で水はどこだ!と言ったかと思うと、すぐにあった!となる。アフリカの原住民との様々なエピソードも、ソロモン王の秘宝の発見も、あっという間に終わってしまう。その間のわくわく、どきどき感まで省略されてしまっているという感じ。主人公アラン・クォーターメインは冒険家だが、冒険も何もあったもんじゃないという感じだった。子供が読むにはこれでもいいだろうが、大人には全然物足りない。そもそもアラン・クォーターメインの魅力が全く描かれていない。つまりそういった人物描写も省略されている。これでは彼は英雄にはなれないだろう。やっぱりちゃんとした大人版で読むべきだった。

ただ、ピーター・ハドック社のまえがきには、この本を読んで興味を持ったら、あるいは大人になってこの物語を思い出したら、ぜひとも原書でもう一度読むべきであると書いてある。この本は、そのための準備本というわけか。以前に同じシリーズで『ロビンフッド』を読んだが、それはそれなりに面白かった。しかし今回は話がもっと壮大になるため、やっぱり物足りない。


2003年09月30日(火)
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