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 Awful End/Philip Ardagh

<The Eddie Dickens Trilogy>
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イギリスで人気を博した、子ども向けナンセンス・ユーモア小説。両親が、「体が黄色くなって、はじっこが縮んでしまう」という奇病に犯され、「特製の氷を口に含み、熱湯のビンを山ほど抱えて」病の床に伏すことを余儀なくされたため、主人公エディは彼らの病室の(なぜか)洋服ダンスから現れ出でた「マッド・アンクル・ジャック」に引き取られる。そして始まるわれらが少年エディの大災難…。

6か月洗っていない皿でカビたチ―ズを出す宿の宿代を「魚の干物」で支払いながら、ジャック叔父、その妻モード、彼女がこよなく愛する「剥製オコジョ」のマルコム、そして道中に中途から参加する超クセ者旅芸人パンブルスヌークス氏の5人(?)のハチャメチャ珍道中が、ブリティッシュ・ブラック・ユーモアを満々とたたえて進行する。


設定が変てこだし、ブリティッシュ・ブラックユーモアだというので、ちょっと楽しみにしていたのだが、せっかくの変てこな設定が、結局はあまり生かされていないので、なーんだという感じ。

つまりは、両親の奇病はエディが旅に出るための口実、大おじさん(叔父ではない)一向に関しては何の意味もなく、剥製オコジョもただの飾り。主人公以外は皆、気が狂っているというのだから、意味もなにもありはしない。ユーモアではなく、ノンセンス。何でもありの世界なのだ。

途中でとんでもない孤児院に入れられてしまうエディだが、どうしてまたここで孤児院なのか?あっちもこっちもこんな設定で、「かわいそう!」度を増そうとしているのが見え見え。荒唐無稽と言えば荒唐無稽、面白いと言えば面白い。しかし、ノンセンスは好きではないので、あまり評価できない。

作者の語り口は面白いのだが、大おじさんは「mad」、モード大おばさんは「quite mad」、パンブルスヌーク氏にいたっては「極めつけのmad」であるから、皆が狂っていては笑えない。3部作だが、続きはたぶん読まないと思う。


2003年02月17日(月)
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