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 メリー・アン・シングルトンの物語(2)ロシアン・ヒルの子供たち/アーミステッド・モーピン

内容(「MARC」データベースより
急死した、メリー・アンの雇い主エドガー・ハルシオン会長は、彼女に多額の小切手を遺す。豪華客船に乗り込んだメリー・アンは、新しい恋人バークと出会うが、彼はサンフランシスコに住んでいた3年間の記憶を失っていた…。

とにかく目まぐるしく事件が起き、「ブリジット」どころの話ではない。なにしろストレートからゲイ、レスビアン、記憶喪失、カルト教団、性転換の話など、盛りだくさん。この人たちはどうなってしまうのか、もう興味津々になってしまう。

1作目でも感じたけれど、メリー・アン・シングルトンの物語とはなっているものの、彼女のことよりもその周囲の話のほうがメインのような気がするし、一応メリー・アンを中心にという形ではあるが、中心はやっぱりゲイのマイケルではないかと思う。たしか作者のモーピンもゲイだという話を聞いたことがあるので、そちらの描写のほうがお得意ってこと?作者がゲイだと、男性の描写が際立っているような気がする。

しかし同じような物語を書いても、女性作家との根本的な違いというものがある。女性作家が恋愛に終始し、おおかたハッピーエンドのコメディで終わるのに対し、男性作家の場合は、そこに社会問題やら生死に関わる問題を絡めてくる。この本も、単純に恋愛ものではなく、そういった大きな問題がたくさん含まれているので、時に胸がズキンとすることがある。


2002年08月02日(金)
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