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■ タラ通りの大きな家(上)/メイヴ・ビンチー
ダブリンに住むリアは地元の不動産会社に勤務していた。そこへ、他の支店からダニー・リンチがやって来る。リアはハンサムで仕事もよく出来るダニーに恋をし二人は結婚する。同時にタラ通りにある立派な家もダニーの機転で手に入れた。そして二人の子供にも恵まれ一家は幸せな日々を送っていた。だがある日、リアは、ダニーに愛人がいてしかもその愛人が妊娠していることをダニー自身から知らされる。ダニーは家を出て行った。そんな中、見知らぬアメリカ人女性から電話がかかって来た…。
登場人物それぞれのエピソードを同時進行させ、綿密に描いていくビンチーの本は、どれも分厚い。これも上下で約900ページ。あらすじは上に書いたようなことだが、上巻で状況が変わるのは、ほとんど最後のほうで、それまでは主人公の周囲で少しずつ物事が進んでいく。
もともと不倫話は好きではないが、それにしてもリアの夫のダニーの言い分は勝手だ。自分でもめ事を起こしておきながら、子どもたちを傷つけないために話し合いをしようだなんて・・・。傷つけてるのは自分なのに、妻に協力を求めるのは酷じゃないのか?と思う。
結局ビンチーが書きたかったのは、夫の不倫による夫婦の崩壊ではなく、その後に起こる、二ヶ月間、見知らぬ相手と家を取り替えて住む(アイルランドとアメリカの二都物語)というアイデアを書きたかったのだと思う。だから本当の物語は下巻からということになるだろうと予想している。
2002年06月10日(月)
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