株式会社JOYWOW
ほうじ茶飲話【JOYWOW】
ほうじ茶飲話 INDEXPASTwill

2003年06月01日(日)


おこりん坊

「Yukariさん、ストレス溜まっているんじゃないの?
なんかさー、いっつも怒ってる感じがするんだけどさ、
だいじょうぶ?」

NYでフリーランスのコーディネーターをしていた頃、
仕事仲間のカメラマンに、よくそんなことを言われていた。
本人にその自覚はなかったし、
よもや怒っているはずもなかったのだけれど。

振り返ってみれば、あの頃は確かにストレスフルな状況だった。VISA保持のために在籍していた別会社のボスのことが大嫌いだったし、プライベートでも解決しなければならない問題を抱えていた。これからどうやって歩いていくのかということも含め、
なにひとつ前に進ませることが出来ずにいた。
いくつもの問題が大きな壁となって立ちはだかり、
自分の力じゃびくともしない気がしていた。
そんな状況が、私の表情を知らず険しくしていたのだろうと思う。

ボスには、それはそれで本当にお世話になったし、
プライベートな問題も、自分可愛さゆえに
考える事を後まわしにしていただけのこと。
過ぎてしまえばなにもかも、
思い込みでがんじがらめになっていただけで、
どの状況ひとつとっても壁ではなかったことが理解出来る。

逃げることから抜け出せたのは、多分なにかのきっかけで
自分の内面と対峙することができたからだろう。
すると、立ちはだかっていた壁に足がかりがみえ、
からまっただけの毛糸玉になり、やがては水のように流れていく。
すべては、心の一歩から始まることでしかなかったことさえ見えてくる。

険しい顔の私は、誰に対して怒っていたのだろう。
自分の無力さとか、頑固さ、そして運命とか、
そういう怒り甲斐のないものに対して
無性に腹を立てていたに違いないけれど。

 

Yukari |株式会社JOYWOW