へそおもい

2018年03月12日(月) 地球の朝

目覚ましより一時間早い
朝4時に目覚めてしまった。

まだ真っ暗で
三日月が浮かんでる。

家の中を箒で掃いて
雑巾がけをして
お湯をわかして

5時半すぎたころに
カオとふたりして
そろそろと
懐中電灯をつけて
外へ出る。

自分の集落では
どんな鳥たちが
なくのだろうか。

集落の周りを歩く。

リュウキュウコノハヅクが
ないている。

しばらくすると
アマミヤマシギさんが
べーべーとはばたいた。

あとは
かえるの声。

住めたら素敵だなあと
おもっている空家も
のぞいてみる。

朝露が屋根からぽたぽたしたたっている。
湿気のたまりやすい場所なんだとわかる。
ガジュマルの木がやさしい。

少し空が
あかるくなってきた。

集落の畑を
上から眺められる場所まで
あるいてみようということになり

またふたりであるく。

日本語をしゃべらないで
耳を澄まして
あるくことにする。


オオトラツグミの鳴き声だ!


アカヒゲがなきだした!
いっぱいなきだした!
こんなにいるのか!

山々そこらから
鳥たちが
目覚めて
なきはじめる。

仲間の鳴き声で
どんどん
鳥たちが
目覚めていく。

さっきまで
ひっそりしていた
山が一斉に
めざめていく。

不思議な瞬間だった。

坂道を
のぼりながら
たちどまりながら

空気が
イキモノたちの
めざめの気配で
いっぱい。

命の気配が
濃厚で

いつもの
集落の道とは思えない。

道をのぼりきって
東の浜と海がみえる場所にきた。

地球の朝だ!

動き続ける海と
どっしりとゆるぎない陸地と
表情ゆたかな空と。

その空の色が
だんだんかわって
もうすぐ
おひさまが
昇ってくる。

こりゃ
鳥も
うたいだすわけだ。

喜びでいっぱいの
地球の朝だ。

わたしも
この朝がうれしくて
身体が
うたっておどりたくなった。

ルリカケスが
すぐそばで
一緒に朝をみてる。

シジュウカラも
朝にむかって
うたってる。

あ!

とカオが
声をあげた。

水平線と雲の間に
太陽のかけらが
みえた。

オレンジとピンクと
金色と赤と
なんともいえない
宝石みたいだった。

涙がでた。

わたしたちの
住んでいる
地球はすごい
美しい場所だ。

地球は
イキモノで
神秘だ。

わたしも
その中に
くみこまれた
神秘のかけらだ。

それが
実感として
やってきた。

わたしも
鳥の仲間の
気持ちになって

朝のうたを
うたって
おどって

さあ
餌をくいに
かえろう!


もうすっかり
明るくなった道を
帰途につく。

最初の車が
通ると
もう
すっかり
いつもの集落だった。

不思議な
まるで
知らない国に
旅したような

朝の時間だった。

これから
早起きが
やみつきに
なりそうだ。


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はたさとみ [MAIL]

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