大小さまざまなたくさんの ゴキブリが夕焼け空を とびまわっている。
この季節になると、 別の世界の扉があいて こちらの世界に あちらの生き物が もれてくるのだという。
彼岸花がとても綺麗。
狐やイモリなどの動物の顔をして 身体は人間のスーツ姿の大人たちが、 会社から帰宅する時間である。 ちょっと離れた街から この田舎の家に帰ってきたのだろう。 バスからぞろぞろおりてくる。
わたしは、 ゴキブリが家にはいらないように、 細く玄関のドアをあけて入り、 いそいでドアを閉める。 何匹かのゴキブリが ドアにはさまって潰れる。
台所にいって夕飯の支度をしなければ。
家族がラタトゥイユが食べたいという。 わたしはラタトゥイユは聴いたことがあっても どんなたべものか知らない。
台所のテーブルには、 都合よくラタトゥイユの素がおいてあり、 説明書を読むと、 この素とミリンと夏野菜さえあれば ラタトゥイユができるのだという。
なすとトマトとさんまをいれよう。 洋風の印象だけれども、 ミリンを入れるなんて珍しいな。 パッケージは中華風だ。 ラタトゥイユって中華だったのか…。
などと考えながら、 さんまを焼いて身をほぐす。 なすがぷりぷりして とても旨そうだ。
ふとおいてあった計量スプーンに ついていた汁を味見してみる。 その計量スプーンの金属の感触が 歯にあたって気持ちが悪い。
黒板を爪でこすったようなあの感触。 口からスプーンをぬこうとしても、 スプーンがおおきすぎて 歯にひっかかって 口からだせない。
うわー!!
目がさめると さわやかな朝であった。
すごくリアルな夢で、 現実に夢が もれてまざってきているような へんな感触。
夢占いの本によると、 夢にでてきた食べ物は 身体が欲していることが多いらしい。
ラタトゥイユに関しては、 あまりにも具体的だったので、 これは食べろということなのかと、 夢の記憶と家にあった材料を考えにいれて、 今日の夕食をつくってみた。
さんまの塩焼き。 なすとじゃがいもと牛肉を ホールトマトいれて洋風に煮たやつ。 白ごはん。
さんまは脂がのっていて 非常に旨い。 勝手なラタトゥイユもどきも なかなか旨くできた。
あとでラタトゥイユを検索したら 結構いい線いっているではないか。 やはり中華風ではなかったが、 トマトとなすは当たりであった。
夢をみるまでは ラタトゥ−ユだとおもっていたのに、 夢にでてきたパッケージでは ラタトゥイユで、 それで検索してみたらでてきたのにも びっくり。
なにかメッセージがあるのだろうか。
いったい ナンナノダ。 ラタトゥイユ。
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