へそおもい

2004年10月01日(金) 山に住むともだち

山に住むともだちに
8年ぶりに会った。

ひさしぶりに会ったので
はじめのほうは、
なんとなくお互い緊張していて
笑ってしまった。

お茶を何杯ものんで
お煎餅をばりばり食べて
杉林を散歩して
渓流をみて、
とてもたくさんの話をした。

この数年分のお互いの人生を
ふたりで鑑賞して
好き勝手なことを
言い合った感じである。

おみやげに
朝採りのしいたけと
いがつきの栗と
椅子になる感じの丸太と
2メートルくらいの長い板と
花台になりそうな丸い板と
木工細工のパズル(めいにおみやげ)を
買う。
安いのだ。

山の夜は
月がぎらぎらしていて
ビール1杯で
とても気分がよくなってしまう。

長そででも寒くて
金木犀の香りが
空気にいっぱい。
虫の声が
サイケデリックにせまってくる。

駅まで送ってもらって、
電気の明るい電車にのると
さっきまでのことが
夢だったような気がした。

彼女と話をしたのも
月の感触も
山の匂いも
すべてが幻だったような。

大量に買った
重いかさばるおみやげをみて
現実だったことを確認する。

彼女はあの村が大好きだと
言っていた。
友だちはみな都会にでていくのに
彼女だけが村に残っているそうである。

非日常のやわらかなリズムが
彼女のまわりにはあるような気がした。

いまごろ
彼女は眠っただろうか。
寒いから布団は分厚いに違いない。
窓から月がみえるのだろうか。
空気はよい香りだろうか。

わたしは下界に
もどってきてしまったよ。

次はいつ会えるだろうか。


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はたさとみ [MAIL]

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