三冊

 小人閑居してナントヤラと云いますし、多少の忙しさに身を置いた方がいいのかも知れない。
 或いは映画を観たりとか、本を夢中になって読んだりとか。




 というわけで、最近読んだ本の報告(ネタ切れの苦し紛れとも云う)。



 ・『ガセネッタ&シモネッタ』(米原万里著/文春文庫)

 国際会議の同時通訳者である著者による、通訳の舞台裏を描いたエッセイ集。
 よく回る頭と舌と、ダジャレや下ネタを解し、異国文化を解し、それを踏まえて(短時間で)訳す、というとんでもなく大変なお仕事です。尊敬します。
 面白く読みました。



 ・『秘密 THE TOP SECRET』第二巻(清水玲子/白泉社)

 衝撃的な前作『秘密 THE TOP SECRET』の続編。
 清水玲子さんのファンです。
 安易に「常識」や「正義」、「正解」を持ち出さないところがいい。
 特に短編が好きです。着想、視線、姿勢が素敵だ。
 素晴らしいエンターテイナーです。漫画と侮る莫れ。
 青木氏は前作では一皮向けた感じもしたのですが、相変わらずでした。



 ・『梅原猛の授業 道徳』(朝日新聞社)

 哲学者・梅原猛さんが、実際に中学生に行った授業の内容。
 『梅原猛の授業 仏教』の続き、というか、まあシリーズですね。
 今の私には、共感できる部分もできない部分もあるのだけど。それは当然です。中学生に、そして読む人間に、考える余地を与える授業です。
 そういやハッキョで「道徳」を教わったっけか?教わったとして、考える余地を与えられただろうか(反発を覚えたことだけはシッカリ覚えているのだけど)。
 羨ましい。私は心底、授業を受けた中学生が羨ましい。
 ローティーンの時分に、こんな授業を受けたかった。
2003年06月19日(木)

メイテイノテイ / チドリアシ

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