capriccioso cantabile |
二ノ宮知子さんの「のだめカンタービレ」(講談社)5巻を読みながら、大いに笑った。 笑いながら、泣いた。
千秋の演奏を聴いた「のだめ」が、「弾かなきゃ」と走り出す。 覚えがある。 時折津波のように襲う、あの焦燥。あの衝動。
そしてそんな「のだめ」を見て、おいらもまた「こうしてはいられない」と焦るのだ。やらなきゃ、と突き動かされるのだ。
でも、いったいなにを? 何をしたらいいんだろう? この焦燥、この衝動を、どこに持っていけばいいのだろう。
空気を震わせたい。音を律したい。その坩堝に身を、心を委ねたい。 この欲望を満たすことができたなら、他には何も要らないと切に思う。
以前は時折襲うそんな激情を(それはもう激情と云うほかない)、ばかみたいにピアノを弾きまくって漸くにやり過ごした。 元々手慰み程度の技術しかなかったし、自分の音に酔うほどの演奏ができるわけではないのでフラストレーションが募るばかりで、指を傷めたりもしたけれど。 それでもやり場があるというのはいい。 そのピアノもない今、この焦燥、この衝動のやり場がわからない…。嗚呼。
ピアノ弾きてー。おもきし弾きてー。
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2003年03月19日(水)
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