無力。あまりにも。

 昨夜は東京から民族学校時代の友人が来仙。
 実家は福島だが帰省の折に仙台に立ち寄ってくれたのだ。
 途中何人かが合流し、4時まで飲み通し。
 さすがに体力的にツライですな。翌日が。
 二、三時間も寝れば酒は抜ける。が、眠い!
 今日は微妙に高めのテンションでお仕事しておりましたとさ。


 1年ぶりに会った友人は、実はワタシのいとこの更にいとこ。
 が、狭い世間というか、すぐに情報が伝わってしまう「同朋社会」に閉塞感を感じてしまう我々の話題は、常に互いの仕事や恋愛に終始した。
 現在日本人と恋愛中の彼女の目下の心配事は、厳しい父親。
 「もし日本人を家に連れてきたら殺してやるって言われたよ」
 あらま。
 なんてアナクロな、と思われるかも知れないが、こういう父親はまだまだ多いのだ。ワタシの親はそうでもないけれど、親戚は煩い。祭祀などで会うごとに「日本人と結婚しちゃだめだ」と言ってくる。「じゃあ『米帝』ならいいわけ?」(喧嘩腰)と云う言葉を、ワタシも何度飲みこんだことか。

 「父親の気持ちもわからないわけじゃない。若いときにひどい差別に合った話を何度も聞かされたから」

 そういった父親の感情と、それを娘にも強要することが、理性的で生産的な、そして何より現実的なものではないということは、日本人のなかで働くワタシちはよくわかっている。また非常に苛立ってもいる。
 そして恐らく彼女の父親も、わかっているとは思う。
 しかしそれでも、在日朝鮮人は日本人を差別する。差別「し返す」。

 何とかならないものか。
 何かできないか。
 彼女を慰め勇気付ける言葉さえ持たないワタシに、何ができるだろうか。

 「彼との結婚を考えているわけでもないし、そうなったら考えるよ」

 彼女は笑ってそう云うけれど。
2003年02月20日(木)

メイテイノテイ / チドリアシ

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