NO MUSIC NO LIFE?

 音楽がないとつまらんだろうな、と思う。


 それはワタシが音と音楽のある世界を知っているからそう思うのであって。
 音がなくても、生命の維持には支障はない。
 ワタシは耳が弱く、髪洗うときちょっと油断して水が入ったらすぐ中耳炎になるし、ひどければ内耳炎を併発するし、物心つく前から耳鼻科とはお友達さっ!とほー(日常生活には支障はないし、聴覚テストでは寧ろ標準値より高かったらしいけど)。

 中耳炎を患っている間は、音がぽや〜〜と聞こえて(脱脂綿をつめているから)、方向感覚がなくなって、眠くなって、なんだか物事を深く考えられなくなってしまう。耳はじんじん痛いンだけどね。
 最近は中耳炎も、抗生物質を飲めば一日で治っちゃうし、耳が弱いといってもこんな程度ですから、音を失うということが、とりわけ身に差し迫っているわけではないのだけど。



 耳鼻科の待合室ではよく、自分の中に流れるベルリオーズの幻想交響曲なんぞに耳を澄ませていた(なぜかいつもベルリオーズだった)。
 あのとき、弦がどう動いていたか、ティンパニーはどう響いていたか。
 よく聴き取れなくて、いつも苛々していた。

 音のある世界から、もしいま音のない世界に行ったとしたら、もっと自分のなかに流れる音がよく聴きとれるかも知れない。
 それが、どういうことなのか。どういう生活なのか。
 現実味を帯びたものとして具体的に想像することはできないけれど。

 音がなくても生きていける。
 生命の維持には何の支障もないけれど。
 でも音楽がないとつまらん。
 いつでもベルリオーズが、ストラヴィンスキーが、チャイコフスキーが、ブラームスが、自分のなかから聞こえるように、よく聴き取れるように
 いっぱいいっぱい聴いておきたいと思うのです。
2002年12月07日(土)

メイテイノテイ / チドリアシ

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