釈然としない

 NY映画祭に招待されていたイランのアッバス・キアロスタミ監督が、米国ビザが発給されず参加を断念。
 これを知ったフィンランドのアキ・カウリスマキ監督までもが抗議のボイコット。

 このニュース自体は今月早々に聞いていたが、今日の朝日新聞に上映会で読み上げられたという声明文が載っていた。
 この声明文がマタかっちょいい。


 「米国がイラン人に用がないならフィンランド人も無用だろう。我々は石油すら持ってない。米国防長官をわが国に招くからキノコ狩りでもして気を静めてもらいたい。世界の文化の交歓が妨害されたら何が残る?武器の交換か?」


 ダテに顔がコワイわけじゃない。さすがだ。


 イランのバフマン・ゴバディ監督がビザの発給を断られたシカゴ国際映画祭はつい先日。
 ゴバディ監督は、「芸術家を尊重する方法を教えるため、この賞は米政府に譲りたい」と、受賞した金賞を辞退。


 なんてことだ。泣けてくる。
 映画祭に監督が出席するかどうかなんて、どうでもいい。
 更に云うなら、映画賞の権威もどうでもいい。
 しかし、こんなことで映画人が差別されるなんて、うまく書けないが、とても不愉快だ。
 ワタシは別に映画が、映画人が、映画界が、政治を超越したものであるべきだなどという明確な主張を持っているわけではないけれど…。
 でもクダランことに左右されるべきではないとは思う。

 釈然としない。
2002年10月24日(木)

メイテイノテイ / チドリアシ

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