紫
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ひとつの恋を失ったとき、ふらりふらりと夜の散歩に出かけたことがあります。
深夜の中野通りは、昼間と違って人通りもなく静かで、夜風がどことなく優しくて。
ぽろぽろ、ぽろぽろこぼれる涙を隠すことなく、ふらりふらりと歩きました。
途中で寄った喫茶店のコーヒーはまったく味がせず、それでも泣きはらして真っ赤な目をしている私に、熱いおしぼりを2つ出してくれたマスターのさりげない優しさにまた泣いて。
小一時間ほど歩き回ってから部屋に戻り、熱めのシャワーを浴びたら、どこかしら心が元気を取り戻していました。
そのあと、時計の短針が3をさしているのを見届けて、深い眠りにつくことができました。
遠い遠い思い出の一コマ。
こうして穏やかに思い出せるようになるまでには数年を要したけれど、それでも宝箱の中から消し去りたくない思い出になりました。
おやすみ。
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