紫
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まず、お山のてっぺんに、高校が建ち始めました。
私の住んでいた地域は、学区制だったため、自然とその新しい高校を受験することになりました。
本来、行くはずだった隣りの高校を借りて、入学試験と合格発表。
そして、未完成な高校まで、いわゆる「合格袋」を取りに行きました。
「五雲峰」という住所にあるその高校。
名前から伺い知られるとおり、かなり高い山の上です。
坂道を登り詰めたところに待っていた新しい高校に赴任する事務長の先生。
「おめでとう」という言葉よりも先に、「ごくろうさま」と迎えてくれました。
「受験生」という代名詞から解放されて、ようやく春を感じることができた瞬間です。
いつしか高校の周りには、バス停が開通し、住宅が建ち並び、私営のテニスコートができ、ジュースの自動販売機が設置され、大きな大きな公園ができ…。
私たちだけの場所と思っていた山が、3年間を通して、一つの町ができていきました。
だからでしょうか。
「いちばん行きたい場所はどこ?」と聞かれて、ふと、あの急な坂道を思い出したのは。
まるで一期生である私たちの入学だけを祝うかのように、坂道の両側に植えられて「ソメイヨシノ」がそろそろまた新しい入学生のために、咲き誇る準備をしているのでしょう。
それでもきっと、あの桜は私たちのことを覚えているはず。
これが私の、「2つ目の桜」です。
「1つ目の桜」の話は、またの機会に。
おやすみ。
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