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■ ストップ ザ モーション
空白を埋める
塗りつぶす
空っぽになっていく
それが耐えられない
要らないもので溢れていく
それも耐えられない
溢れていく情報
揺れている人柱
その中に混ざれない異物
真っ白なものか
俺は真っ暗なだけだ
底のない闇
飲みこんでも消えてしまう
まるでブラックホール
中身は空
全てはスターダスト
漂うもの
揺れるもの
結局自分は
何にも成れなかった
追い求めて
身を削って
手に入れたつもりになって
掴んだものも
自ら手放した
何も残したくない
自分は必要とされている
そんな幻想を抱いた
そう思わなければ
自分の存在価値など
見失ってしまう
本当は自分の生きた証を残したくて
仕方がないのに
誰かに言われるたびに
そんな嘘に酔っていた
必要とされる
それ以外に
自分の存在する意味などない
一人で生きているつもりだった
何にも執着していないはずだった
周りの環境に変化があっても
自分には関係がないと思っていた
なのに
なんてことはない
いつだって
必要とされることにしか
意味を見出せない自分が残った
利用し利用され
生きてきた
信じられるものなど
何一つ無いのかも知れない
それでも信じている振りをして
世の中を渡り
信用されるたびに重く感じて
周りのものを裏切った
繰り返される嘘を
冷やかに聞いて
自分の意のままに動く世界が
ムカついてたまらなかった
いつの間にかこの茶番の主役にされていたから
俺は俺の役を演じているだけだった
でも何もかも簡単に壊れた
その瞬間から
もうあの舞台に上るのも
観るのも嫌なのだ
非常識だと言うだろう
今までの積み重ねたものも
全て消えるだろう
でもここまで追い込んだのは
誰でもないあの場所なのだ
みんな自分のことでいっぱいだから
俺がずっと苦しいことなんて
知らない
くだらない
社会や常識を
逸脱して
勝手なルールで俺を酷使させてきたのはそっちだ
退職だといっているのに
あと二週間だというのに
他に伝えることもしないで
目先のことも見てやしない
手続きだ処理だ必要書類だ色々あるだろうに
それすら持ってこない
俺はもうあの場所にいきたくない
居たくない
もう自分の場所じゃないから
2006年02月06日(月)
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