株式会社JOYWOW
椰子の実日記【JOYWOW】
椰子の実日記 INDEXPASTwill

2006年08月24日(木)


終わらない少年の夏

朝から密度の濃い仕事に没頭していて、ちょっと休む
必要があるなあ、と思った。昨日からどうしても行かねば
ならない必要も感じていた。そこで、散歩に出た。
自宅裏の山を越えるように歩く。
近いのにこれまで馴染みの薄かった住宅街を抜け、
田中美佐子邸横を通りすぎると国道イチサンヨン(134号)に
出る。

背中を逗子方向、進行方向を御用邸。歩く。134に出たあたり
から小学3年生くらいの男の子がキックボード(少々時代遅れ
な気がした)に乗って前に後ろに走る。

もうすぐ葉山小学校という横断歩道を渡ったところで
ぼくの方向に向かって大声で叫んでいる。ぼくの後ろに
ともだちがいるのだろう。

と、ぼくが首に巻いていた汗取りのための日本てぬぐいが
落ちた。風もないのに、真後ろに落ちたので、拾う。何気
なくぼくの後ろを見ると、だれもいない。ということは、
あの子は、ぼくに向かって呼びかけていたのか。

ここである仮説が浮かんだのだが、まさか、と思っている。

葉山小学校前のバス停のある歩道。ゆるやかにカーブして
いて、軽く左が死角になっている。そこで一瞬、前を歩く人
が見えなくなる。キックボード君も消えた。

そのまま消えたりして。

そう思いながらカーブのところにさしかかると、そこの
階段に座っていた。玉の汗。ハアハアと肩で息をしている。

良かった。思い過ごしだ、と安心し、通り過ぎ、消防署の
前の信号を渡ろうとしたら「止まれ」という声が聞こえた。
あわてて信号を見たら赤で、斜め向こうの坂から車が交差点を
突っ切ろうとしていた。危ない危ない。ん? いまの声は?
振り返った。

だれもいなかった。

写真は、男の子が座っていた階段。そしてこの話、これで
終わらない。これから書くSurfin'で、つづきは。





 

Kei Sakamoto |株式会社JOYWOW