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椰子の実日記【JOYWOW】
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2006年07月10日(月)


良寛さんのおいしいところは




出雲崎の良寛生家跡「良寛堂」の前の通り。
この海手を見下ろすと、有名な切妻屋根の甍が続く。

この、あまりにうら寂しい空気が、何だかとっても良寛
していたので、写真に残したんだ。

良寛さんの残した漢詩を愛読しているのだけど、
「どこまで本気やら」という、すっとぼけた詩が多い。

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若い頃は世の中に悩みなどないように思い、
派手な服着て、
かっこいい馬にまたがり、
朝っぱらから酒をくらい、
おねえちゃんたちと遊び戯れ、
さて、どこに辿り着くかというと、
寂しさ一杯の家へまっしぐら

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(現代語訳・阪本)。

学校の先生的に解釈するなら、遊べるのは若いうちだけ
だから、その若さにおぼれないように、せいぜいしっかり
精進しなさい、となるのだろうが、良寛さんがそんな
「正しいこと」を言うはずがないと思うのである。

「若いときやったように、いまもできるならやりたい」
というのが、人間の素直な気持ちであり、良寛さんは
そういう人だったのではないかなあ。
どうも良寛さんというと「清貧の人」「精錬潔白な人」
という虚像ばかりが大きく、あの人の本当の旨みは
そんなところにはない気がするんだ。

 

Kei Sakamoto |株式会社JOYWOW