椰子の実日記【JOYWOW】
2003年03月21日(金)
ツケを払いに来た客
朝日新聞夕刊(2003/3/20)の記事が印象に残りました。 ブッシュが宣告した48時間内のバグダッド市内。 化粧品店を営むサファ氏(38)は19日に休業した。 在庫を車に積んでいたら、近所の常連客がツケを 支払いにやってきた。「もう会えないかもしれないから」 サファ氏「まったく変な感じだよ。もう死ぬ気でいるみたいだ」 その夜、サファ氏は郊外の両親の家で、家族全員12人で夕食 をとった。最後のだんらんになるかもしれない、との思いが 頭をかすめた。数時間後。バグダッド市内を砲撃が襲った。
商人と顧客とのふんわかした、日常のいい関係の光景が目に浮か びます。この顧客が、開戦するかもしれない報を聞いて、「何を したらいいんだろう」と考え、いろいろな思いがよぎる中で 「そうだ、サファさんにこのあいだ買ったあの化粧品のツケが あったんだわ」と思いつく。 なんとも不思議で哀しい話です。
家族との夕食のエピソード。「最後のだんらんになるかもしれない」。 自分のこととして考えたら、胸がぎゅっ、となります。
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