椰子の実日記【JOYWOW】
2003年02月22日(土)
無之以為用
『老子』に凝っています。
功成名遂 上善如水
どこかで見たことのある文字の並びでしょう。 原典は、『老子』なんですよ。
でも、現代日本人では、漢字だけの文章はなかなか 読めない。そこで、とびっきり素敵な感性で 現代詩に翻訳してくれた人がいます。加島祥造さん。 翻訳というより、創造詩ですな。 筑摩書房から出ている『タオ』。タオとはTAO、道 のこと。
たとえば第十一章[無用]の一部をご紹介します。
(引用開始) ------------------------------------------ ・・・・略・・・・
粘土をこねくって ひとつの器をつくるんだが、 器は、 かならず 中がくられて空(うつろ)になっている。 この空の部分があってはじめて 器は役に立つ。 中がつまっていたら 何の役にも立ちやしない。
・・・・略・・・・
これで分かるように 私たちは物が役立つと思うけれど じつは物の内側の、 何もない虚(きょ)のスペースこそ、 本当に役に立っているのだ。 ------------------------------------------- (引用終了)
無之以為用。
ね。いいでしょ?
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