椰子の実日記【JOYWOW】
2003年02月19日(水)
また、きっといいこともあるよ
「ねえ・・・また、きっといいこともあるよ。・・・」
この言葉は、焦げたてぬぐいで頬かむりし、路傍に 座っていた中年の女性二人が話している言葉。
たまたま横を通りがかった山田風太郎少年が、耳にした。 場所は水道橋あたり。一面の灰燼。いたるところまた 火がチロチロと燃え、煙も出ていた。
1945年3月10日、東京大空襲のあった午後のこと。
中年女性には当然、家族もあったでしょう。
空襲のあと、「何かきっといいこと」と話し合っている わけですから、事情は察することができます。
「ねえ・・・また、きっといいこともあるよ。・・・」
同じ言葉が、たったいま、イラクでも、話されているか もしれません。
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