株式会社JOYWOW
椰子の実日記【JOYWOW】
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2003年02月07日(金)


毒への期待

またも「放し飼い」にするしかどうしようもない
アーティストの話です。セロニアス・モンク。
Thelonious というスペルも、非常に珍しい。
『Thelonious Monk Trio』が一番好みです。
モンクのピアノのほかはベースとドラムという
少ない音だから、モンクがハダカで迫ってくる
ようで。

「ジャズの名盤」といった解説書ではモンクの
ベストは『Brilliant Corners』が最高傑作
とされていますが、音楽ばかりは好みの問題
なので。私は好きじゃない。一曲目で冒頭から
ソニー・ロリンズのぶっとい音が遠慮なしに
ぶいぶいやってくるところが大味。
でもまあ、ここがいい、という人もいるので、
まさに人それぞれです。好みを押し付けるつもりは
ありません。

さて、『Trio』に戻ると『Blue Monk』が始まり、
モンクがテーマを始めたとき、「ああ。しあわせ」
と思います(笑)。それは、心地よいしあわせ感
ではなく、「人畜有害」なおっさんのピアノが
始まったぞ、という、毒への期待です。
モンクの魅力は、このような、「後に尾をひく」
後味です。

 

Kei Sakamoto |株式会社JOYWOW