明日の「美の巨人たち」は、我が青春の画家、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティなので楽しみにしている。
彼の絵には、闇がある。退廃があり、儚い美がある。 技巧的には他のメンバーに比べ、決して優れてはいないのだが、絵に込められた想いに、常に心惹かれるものがある。
大仰な名前から察せられるように、ロセッティはイタリア系の英国人で、19世紀末の「ラファエロ前派」の中心人物だ。
ロセッティは「神曲」のダンテ・アリギエーリからその名前をもらったので、妻、リジー(エリザベス)・シッダルをモデルに描いたのが、ダンテの恋人ベアトリーチェ。 多くの浮き名を流したロセッティに、リジーは心底疲れ果て、最後は自殺とも言える事故死を遂げている。 彼女の写実的に美しいポートレートは、ジョン・エヴァレット・ミレイの「オフィーリア」を見ればいい。
薄暮に瞑想するベアトリーチェ、込められた隠喩の数々。 「ベアータ・ベアトリクス」。
もう一度、 実物を見たいものだ。
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