思考回路2011
もくじ|むかし|あした
当時店にいたのは4人。 新人の主婦、古株の女の子2人。わたし。 事情を説明すると、急いでお金を数えに事務所へ 向かった。11万あるとはいえ、お金はすべて 両替されていてこまかいのだ。時間はとっくに過ぎている。 数え初めてすぐ、古株の子が子機を持ってやってきた。 ○×不動産からだという。 声は、ドラマで良く聴くようながらの悪い感じの声で 早く持ってきてくれないかと言う。話は聞いていて のばしてはいるが、もうすぐ閉めるから。 古株の子のほうが金庫には詳しい。お金を数えてもらうのを 手伝ってもらう。4時半に本部の人が来てくれるとはいえ このお金を出せば、土日のレジでお金がなくなる。 さきにレジの大きなお金を両替してからにしようと 店に戻ると、また不動産屋から電話がかかってきていた らしい、受話器を渡されると、さっきよりもさらにがら悪く 脅しめいた感じで、もうシャッターを閉めたから、 早く持ってきてくれと言ってきた。 時間は45分を回ろうとしていた、2人で大急ぎでお金を 数え両替をすませた。 社員はいないと答えた時、あなたでいいから持っていってくれ と言われていたので、わたしが持っていくことになった。 脅しめいた感じだったので行くのはイヤだったが とにかくおさめなくてはという思いで、近所の弁当屋に向かう。 2件隣の二階。見ると・・・?。看板のたぐいは出ていない。 反対側の2件となりなんだろうか?と思い、動いたとき 後ろから声をかけられた。 振り向くと、第一印象。いかにも不動産業者(悪質系)。 たじろぐ。わたしは制服を着ていた。 「××店の子でしょ。不動産屋のものだけど。今ちょうど 車のところに降りてきたんだ。お金もってきてくれた?」 50代〜60代ぐらい、小柄で色白。 オールバックで白髪混じり。 極端に頬のこけている骸骨めいた顔。 目はぎょろっとしていて、クビが細い。 趣味の悪いプリントシャツをきていて、手には黒いカバンを 持っていた。 なにか無意識下で感じていたが、まだ表面には出てきていない。 もっていたお金を路上で手渡した。 男はお金を数えるでもなく、カバンにお金をいれる。 またしても何かを感じた。やばい感じ。 「これだけ?」 お金をわたし終わると、あとはちゃんとおさめて納めて おくからと言った。 わたしはすぐにきびすを返し店にもどった。 戻って、なにか変だと、古株の子に言った。 いくら話は通っているからといったって、金額も確認せず 領収書のようなものもくれない。 なにかヤバイ。おかしい。 半分は冗談めいていたが、半分は本気だった。 本部にお金を納めたという報告をしようとしたが、本部の電話 番号が見つからない。しょうがないので店長に電話をすること にした。家にはいないから、携帯に電話をすると。 ・・・・。 店長はずっと家にいた。 事情をかいつまんで話しただけだったが、あっさりと それは詐欺だ。と言われた。 本部に服部なんて人はいない。
続く→
|