思考回路2011
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詐欺にあって店のお金を盗られた。 警察へ調書と犯人のモンタージュをつくるため 3時間近く、ドラマの取調室そっくりのところで 出された缶のお茶を飲みながら、話した。 お客は少なくてまったりと時間は過ぎていった。 七夕に何をかこうか悩んでいたり。 2時15分頃、店の電話が鳴った。本部からの 電話だという。出たのがまだ新人さんだったので ちょうど近くにいたわたしに変わった。 名前は?と聞くと、名乗らなかったと言われた。 お名前よろしいですか?と電話を変わり聞くと、 出川哲朗並みのデカイがなり声で、本部の×× だと名乗ったような気がするが、そのがなり声で 一瞬ひるんだと思う。 本部の人間と名乗る出川(仮)は、社員の人間が 出ることを期待していたらしいが、あいにくうちの 店には社員はいない。そのことを伝えると、店長に 電話をしたが出なかったので、直接店に電話してきた のだという。 用件をまとめると、 別の店とうちの店の家賃を間違えてコンピュータ に入力してしまい、そのまま銀行にお金を入れてしまった。 なので、うちの店の分が不足してしまっている。 新しく弁当屋が出来た2件となりの2階に○×不動産が あるからそこにお金をもっていってほしい。 今、本部から社員の服部さんが車で出た。 6時30分ごろにはうちの店につく。 その不動産屋は2時30分に閉まるので、今すぐ直接 不動産屋兼大家である○×不動産にお金を持っていってくれ。 時計を見ると、時刻はすでに2時20分で、もう閉まる時間。 店は普段通り営業中で、周りではオーダーが飛び交っていた。 出川(仮)は、今、本部長に代わるからと言って音楽をならした イライラして待っていると、これまた出川(仮)並みのがなり声 の本部長が出てきて、同じ事を繰り返した。 どうしてほしいのかを言わない。 不動産屋には話はついている、遅れることも話してある。 服部さんはもう車で出た、4時30分にはつくだろう。 必死でメモを取りながら、がなり声に耳を傾ける、幾ら 不足しているのか金額を言わないので、こっちから聞いた。 出川2(仮)は「こぐち」はいくらあるか?と聞いてきた。 小口は、レジのお金を別の用途で使ったときに、いくら使った かを書いておくもので、あまり知られた言葉ではないらしい。 警察の人も聞き返してきたから。 小口を知っているんだ、と思いながら、なんで小口?という 疑問も浮かんだが、本部の人はイタイ人がおおいということを 思いだし流した。 金庫の××金はどうなっている?とも聞いてきた。 意味が通じず、金庫には11万円ありますと答えた。 今日の売り上げは?とも聞いてきたので、レジ速報で売り上げを 出した。そんなに不足分が出ているのかと思いながら、ようやく 本部長を名乗る出川2(仮)は持っていく金額を言った。 12万7千円。 金庫から11万を出して、レジから1万7千。 封筒に入れて急いで持っていてくれ、封筒には本部より不足分と 書いて渡すようにと言われた。 電話を切って話した時間を見ると13分。時刻は2時30分に なろうとしていた。
続く→
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