今日は一生懸命、家業の帳簿をつけました。 今年こそ、税理士さんに、まだですか! と言われないためにも、 雨の月曜日、黙々と電卓をたたいていました。 夕方、社長のところに、よその社長が尋ねてきました。 極小企業ですと、たいていのお客さんはどこかの社長さんです。 わが社の社長さんは、父であります。
夕方おそい時間で、何人かいるパートの女性陣はもう帰ってしまったため、 うちの社長みずからが冷蔵庫から缶コーヒーをだし、目にとまった茶菓子とともに、 お客の社長さんにだしたようです。 この間わたくしは、事務所で電卓パチパチ。 しばらく社長どうしで、景気とゴルフのことを話していたようですが、やがて静かになり、 お客さんは帰ったのかな、と思っていたら 突然うちの社長のでかい笑い声が。
ゲラゲラ笑いながら事務所に入ってきて、「おれもたいがいだけど・・・」と話しはじめました。 お客さんが帰ったので、空き缶とお菓子の空き袋を捨てようとしたときに、 どうしたことかお菓子の袋に目がとまった。 するとそこには、『インスタント卵スープ』 とでっかく書いてあったのです。 パートさんが、お昼用に買い置きしていた固形のフリーズドライの卵スープだったのです。 残り1個なので、箱を捨てて中身だけお茶やお茶菓子の棚に置いておいたのでしょう。 それを、うちの社長がパッケージを見もしないで、クッキーかビスコ(大きさは似ている)だと思い、 お客さんにお出しし、 お客の社長さんもぜんぜん袋なんか見もしないで、破って中身をボリボリ食べたのです。 さすがにわたしも笑いました。 「さぞ、しょっぱかっただろうね。」 と言うと、 「あのひとなんでも食べるから。」 と父が答えたのがまたおかしかったです。
わたしがこの話を母に伝えると、ひとの失敗やドジを聞くのが大好きな母 (未開の地のひとみたいですよね) は大喜びで何度も笑い、 うちの実質専務である、弟に話しにいきました。 弟の作業場からもまたでかい笑い声がしていました。 母の意見。「缶コーヒーが甘いから気付かなかった。お茶だったらさすがに気が付くだろう。」 「でも、あのひとなんでも食べるらしいから、自分の口に入っているものが少しくらいしょっぱくても気にしなかったんじゃないの。」 と言うと、ひとのまぬけな話が大好きな母はますます喜んで笑うのでした。 一家の結論。 「ひとにすすめる時にはひとつも気付かなかったのに、捨てようという時になってなぜ気付いたのか。」
そんなほのぼの家族のお話。 そして外では 社長とかいわれている押し出しのいいおじさんも、 六十を越えると、みんなこんなもんみたいです。
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