痒痛 ☆ 日記 
お酒と音楽と変人と。菫色の日々。

2006年06月10日(土)  腰砕け

さて、予告までしてその翌日も大いに飲んでしまい、
そのうち人生の小さな勝ち負けなんてどうでもいいや、という気持ちになってしまいました。
だから熱く語る気まんまんだったものを、時間をおいて覚めた目で書いておきます。

地下鉄の乗り換え駅で先を急いでいたら、後から
「チッ!」
という舌打が聞こえたのです。
私は何度も言っていますが、舌打というこれみよがしでいて、なんにも言わない行為が嫌いなのです。
ムカッとしたけど、後からだしおじさんが舌打をするのはしょっちゅうだし、もう彼らはくせになっているのだろう、
と無視して通路を急いだのです。
向こうから人が沢山来るのでわたくしは進路を左に変えました。
するとまた 「チッ!」
なんだというのだ、なにが気に入らないのだ、と音の方を振り向くと、
若くおしゃれだが暗い雰囲気の女性と目があったと思ったら、
「ヒトノマエヨコギルナヨ。」
と吐き捨てるように言うのです。
何を言っているのだろうこのひとは、
「は?」
と、問うと
「2回モヨー。」
と左右に手を払う仕草付きで、黒ブチおしゃれメガネごしに睨むのです。
いやいや。わたくしがずっと先を歩いていたのですし。
『わざとじゃありませんよ。』
睨んでいる。
『わたしはこっちに行きたいんです。それはわたしの自由でしょう?』
まだ睨んでいる。しかたないなあ。
『急いでいるなら、先へどうぞ。』
と、道をあけてあげたのに、ずっと黙って横目で睨みながら、先へも行かない。
もうどうしようもないので、無視して目的の方向へ急いだらやっぱり追い抜きもしないで、
それ以上なにもいわず上目遣いに斜め後から睨んでいて、そのうち人ごみの中に消えてしまいました。

なんだかよくわからないながらも、自分が勝ったのだとわかりました。
たぶん彼女はしょっちゅうそうしているのではないかと思うのですが、
人ごみに紛れて舌打をして進路をじゃまされた気持ちを晴らそうとしたら、
わたくしが振り向いて舌打の主として特定されてしまったので、
「ヒトノマエヨコギルナヨ。」とオマエガワルイと正当性を主張してみたのではないかしら。
でもこちらが目線をはずさないので引っ込みがつかず、
「2回モヨー。」 と駄目押ししてみた。
この時点では言い返してこないとみていたんではないかしら。
でも、喧嘩する気はなかったのね。
あくまでも後姿の不特定なモノに向かって舌打したのであって、
振り向いて顔をみせたり、まして言い返されるとは思っていなかったみたい。

いちゃもんつけるなら、勢いで口からでたにしても勝ちに行く気でいかないと、
たぶん彼女は一日気分が晴れなかったでしょう、
と勝った気でいるわたくしは勝者の驕りとも言える気持ちでしみじみ思ったのでした。


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