白バイは早い。 白バイ隊員の動作も素早い。 本体はエンジンをかけたまま、交差点のすみにかくしてある。 本人はそしらぬ顔をして、交通整理をしているふりをしている。
しかし本当は獲物をねらっているのだ。
違反者を見てとるや、本体にまたがり、さっきまで交通整理していたくせに、 緊急車両!緊急車両! といいながら一般ルールを無視して獲物を追いかけていく。 白バイには、マイク・スピーカーシステムも搭載されているので、でっかい声で 「練馬 501 む ××41 ! カローラの運転手さん 止まりなさい!」 とか言われてしまうのだ。 回転灯はグルグルで、サイレンはウーウー唸って 派手なことこのうえない。 誰にだって ものすごく重大な違反をおかした犯人を追っているように見える。 でも大抵は減点1くらいの、罰金9千円くらいの安全運転義務違反くらいだ。 交通安全週間の街中の交差点では特に。 でも、9千円を10件つかまえれば9万円だ。
なんども白バイに追いかけられてきた。 自分でもなぜなのかわかならいままに、 「そこのシルバーの原付 とまりなさい。 とまれと言っているんだ!」 と怒鳴られたこともある。 陸橋の下にかくれているねずみ取りにつかまる10倍くらい、悔しく恥ずかしい。
が、自分以外の車がやられているとなると好奇心がおさえられない。 あまりに状況が派手なので、絶対に地味な違反だとわかっていても、 いったいどんなルール無用の運転手がどんな悪辣な違反を犯したのか、知りたくて、 顔をみたくてたまらない。 でも、白バイは早い。 あっという間に赤い回転灯がチカチカ光っているのはかなり先のほうで、 ほとんど取締りを見れたためしがない。
しばらくして同じ白バイさんが、先と同じ交差点でしらーっと交通整理をしているのを見るのも、 趣きがあるね。
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