大人になってもわからないことはいっぱいあるけれど、 自分の旦那の命があと1ヶ月しかなくて、どうしたらいいんだろう、なにがしてあげられるだろう、という相談や涙や独り言にはどう答えてあげたらいいのか、 四十になっても五十になってもわからなさそう。
ただ聞いてあげるだけでいいんだろう、とは思ったけど。 どこまでものを言っていいんだろう。 なにより言葉なんか求めているのかな。
一緒に泣いてあげる という技がつかえないわたしは うん うん うん 30分の電話で うん を300回くらい言ったような気もする。 うん でいいならそれでいいけど。
なにをしても後悔するのはよくわかっている。でも しなかった後悔は長く後をひく。 たぶん優しいベールに包まれて寂しい思いをしているから、たくさん話をするといいと思う。大事なこともどうでもいいことも。 きっと怖いから手もつないだらいい。 でもより怖がっているのはこっち側の人間のようにも思う。 覚悟をきめたひとの目は潔い。 心の底まではわからないけどね。
でもそうは言えなかった。 彼女の思いに答える同じ重さの愛情も興味ももてなかったから。
お互いさまか。みんな自分の定規でしか計れない。
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