痒痛 ☆ 日記 
お酒と音楽と変人と。菫色の日々。

2002年10月21日(月) 無心

はっ!今わたしはなにも考えていなかった。心をよぎるものがこの数十分というものなにもなかったわ。 という驚きの瞬間。
あるね。偶にある。なにをしている時なのか。これはもうはっきりしている。
グルーミング中。

そうそうそうそう! と御婦人ならば激しく肯首して下さるのでは。殿方は・・・
わかんないなあ。男の方のグルーミングって髭剃りの他なにがあるんだろう。
耳掃除と爪きりくらい?頭皮のお手入れ?それって無心になれる?むしろ煩悩が、
いや ちゃかしてごめん。

わからないことは勝手な推理をすればいいけど、発言には気をつけろ。
そんなわけで御婦人向けから例をあげます。
はっきりいって婦人用グルーミングはね、ほぼ毛問題に集中してるのよ。

あえて男女共通の処置から申し上げますと、まず耳そうじ中はね、無心ではない。
あれは狩りと一緒で作戦があるでしょ。それから緻密な作業。見ることのできない複雑な器官を手探りで進んでいき痒いところにたどり着き、みみくそ君を外部に排除するためにまたまた慎重を要する。はふー。
それから爪きりは、御婦人はただ伸びたところを切るわけじゃなくて、バランスとかね、磨きいれたりね、最後にマニキュアとかね、ファッションとしての思惑があるわけでしゅよ。
他に おへそそうじ というのがあるけど、だいたい無心に近いんだけど、やっぱり敏感なところだからわりと慎重に作業するし、最後に綿棒の匂いをかいだり・・・。 だめだね。感想あるところに無心なし。

さて毛問題にもどります。まず、眉毛。これは爪の手入れに似てるかな。無心に抜いていると その後1ヶ月は人目をさけて暮らしたくなるので、しょっちゅう 鏡から遠ざかっては左右のバランスをみて微調整をくわえたり、毛抜きを眉バサミに持ち替えたり。彫刻家が粘土で原型をつくっているみたいです。
まあ、最初に具体的なイメージを持たずに眉をいじりはじめるとたいていは大変な事態になるんですよ。本人にとってね。他人には「あれ、やりすぎちゃったね☆」くらいなもんですけど。

次は、無駄毛だ。いろいろ部位はあるけど本人が ここの毛いらん! と思って処理しはじめたらみんな無駄毛。
これは無心だね。そこの部位の毛みないらん、と思ったら見える範囲はみんな抜く。あ、これは人によって抜いたり剃ったりいろいろだけど、ここは抜くことにしといてください。剃るのって中途半端なその場しのぎのチョイチョイ仕事のような気がして、充実感がないんだ。わたしには。機械もね、信用できない。
これはなにも考えずに気づくと1時間やそこらすぐにたってしまいますよ。猿山の日本猿の毛づくろい。あの真剣さ。ちょっと口をとがらせたり舌打したり。たぶんわたくしもそっくりな表情をしていると思います。
ただ、無駄毛部位って作業するのに苦しい体勢を取らざるを得ないトコロが多いから、大抵、うう腰が痛い、あたた首がまがらん、と我にかえりますね。毛根から処理しているわけでないので、10日もたてば元の木阿弥。いたちごっご。でも虚しいとは思わない。御婦人ならお気に入りの毛抜き これでなくちゃ駄目 の1本や2本はもっているのではないでしょうか。


しかし、無心なひととき 堂々第一位 ダントツブッチギリ 2位以下周回遅れ しつこいほどにナンバー1なのは、(ドラムロール) 枝毛切り です。
すごいよー。まるで時間が盗まれたかのよう。
お風呂あがりに1本の枝毛をみつけました。ハサミを持ってきました。チョキンチョキ。チュンチュンチュン。気づくと朝でした。
えっ!?6時間チョキチョキしてたの?記憶がないよ。ええっ!?アレとコレやろうと思ってたのに。ああっ、もう寝ないと今日の予定なんだっけ。あーもー。

まあね、自分で毛先をつまんで見える程度の長さの髪でないと、それから一月に一度カットしているようなマメな方にはあまり実感がないかもしれませんが。
なんだろう、始めてすぐはチョキチョキ よし。って一度ハサミを置くんだけれどすぐにまたもう1本みつかるんですよ。アレ?またハサミでチョキン。そのうちに執拗なハンターの気持ちになってきて、毛先を1本1本チェックするようになって一度みた範囲もまた見てそれでもちゃんと枝毛はみつかるのです。そう山菜つみに行ってどんどん見つかるのでやめられずにどんどん奥山にはいりこみ帰れなくなってしまう、その気持ちわかるわ。
途中からなにも考えていないんだもん。原因を考えたのですが、至近距離を長時間じっと見ているから視界がすごく狭まってよけいなもの、なにかに思いいたらせるようなものが目に入らない、というのがそのうちの一つ。作業が簡単。つまんでチョキだけ。が一つ。細かいもの探すという行為への集中力。探しても喜びの感情がわいてこない。などなど。

昨夜もそんなふうにして睡眠時間を盗まれてしまいました。すごく眠い。
雀の声や新聞屋さんの自転車の音をきくと、まずビックリする。そんなに時間がたってしまったことへの驚き。その間、なにも考えていなかったことへの驚き。普通はなにをしていてもなにか考えは勝手にわいてきて、作業しながらもその先のこと過去のこと、次元の違うこと、想像 推理 結論 予定 反省 妄想 計画 整理 いろんなことを同時にほわんほわんと思っているもんなので、その数時間そういうことをまったくしなかった、というか浮かんでこなかったことが驚きなのです。
そのあと、呆然。なぜかって、枝毛切りっていつも虚しい結果なんですもの。この長時間の作業の結論は 切っても切ってもある。こんなに痛んでいる→明日美容院にいこう→あれえ自分で切りましたねー、と言われる。→はあ、すんません・・・


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