Kin-SMA放言
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2003年02月16日(日) ヴェルサイユでオスカルに逢う

一瞬みぞれになって「明日どうしよ〜!」と大騒ぎしていたが、今日のところは雨のまま、持ち越しそうだ。

猫ども(ウチには「ごろー」ともう一匹「ツチノコ」というのがいる。上から見下ろすと、伝説の珍獣・ツチノコに形も模様もそっくりなのである)も、慌てて帰宅し、ストーブの側で香箱を組んでいる。
(さっき、ウチのじゃないヤツまで玄関のとこで雨宿りしていた。入れてやりたかったが、人の顔をじーっと見て警戒したまま、入ってこなかった)

さて昨日は、激痛によろよろしつつ、マッサージ屋さんにたどり着いたところで、終わったのだった。

マッサージ屋さんで「頭痛がひどいので、首から上をやって下さい」とお願いし、30分ばかり揉んでもらった。

「あーこりゃひどいね」とマスター。「これは全身から来ている」と、結局、腕、肩胛骨、脛、足指などもちょっとずつ(悪く言えば中途半端に)施術してくれて、「時間のあるとき、またいらしゃい」と、送り出された。
「ほっとくと、脳血管が危ないよ」と、キョーフな一言。

げげ、脅かすなよ。

全身の秘孔を突かれて、ますますよろよろ状態で、赤坂にたどり着いた。

『レディ・ゾロ』

去年退団した元花組トップスター・匠ひびき(チャーリー)の、退団後初出演作。脚本が劇団☆新感線の座付き作家・中島かずき氏なので、けっこう期待したのだが、演出(なぜか文学座の大御所・西川信廣氏)と波長が合ってなかったようで、全編通して歯がゆい感じ。

ストーリーは、中島さん得意の“仇討ち冒険活劇”。
元男役の退団一発目というシチュエーションをよく分かってらして、男勝りの正義感の強い女の子の役を、見事ちゃり坊に当て書きして下さっていた。

だが、中島脚本の「どうでもいいとこにこだわる」→「そこをくすぐる」→「だから面白い」という、いのうえ演出ならあって当然のパターンが、どうも無視されているというか、見落とされてしまっているというか。

ようするに、まじめすぎるのだ。演出も、出演者も。

中島脚本をしっかり理解して、きっちり表現していたのは、主要キャラの中では、六角精児さんだけだったと思う。




ネタバレしない程度にストーリーをばらすと、
「圧政時代のスペインの片田舎の街に、かつて“怪傑ゾロ”と呼ばれた民衆達のヒーローがいたが、初代は何者かに殺され、今は二代目(草刈正雄)がその跡を継いでいる。ある日、その街に初代ゾロの忘れ形見(娘)が戻ってきて、『私こそが本物のゾロ』と宣言し、二代目ゾロと対決する。その娘(これがちゃり坊)が戻ってきた目的は、この街を為政者の横暴から救うためと、父の仇を討つためであった。ところが、仇と狙っていた男とは・・・」
てな具合。

ちゃり坊は男役にしては小柄で、目が大きいべっぴんさんだけに、女姿は最初から何の違和感もなかったが(むしろそういう意味で、彼女は「男役」としては・・・だった。かといって、昨日まやちゃんのところで書いたような「フェアリータイプ」でもなかった。どことなく中途半端な感じで、本当の魅力を発揮できないままに退団してしまった感がある)、これまた哀しいことに(退団者の多くがそうであるように)、全く色気がない←文字でかすぎ

せっかく肌の露出の多い衣裳を着て、得意のダンスを披露するシーンをいくつかもらっているにもかかわらず、その場をさらうようなオーラを発しきれていないように思った。

それと、今作品は「音楽活劇」と銘打ってあって、途中歌やダンスシーンが入ってくるのだが、この入り方に、演出のうねりの中で音楽が自然に出てくる感じがなく、「そうそう、この辺で入れなくちゃ」みたいに、思い出したように入ってくる感じが、失礼ながら「出来の良くない時の宝塚歌劇」みたいだった。

基本的にストーリーはしっかりしていたので、とにかく演出をもっとテンポよくやってほしかったと思う。
(ぼくは、頭痛をこらえつつ見ていたのでアレだったが、一緒に行ってくれたKさんは、途中寝てしまっていたぞ、ホンマ)

プログラムを買い損ねたので、「おっ」と思った出演者の方もいたのだが、名前が確認できない。あ、今日買いに行けば良かった・・・

「この人、良くなかった」と思った方については、あえて書かないことにする。









観劇後、Kさんと「宇明家」の餃子をたらふく食す。満足。




↑ぼくはガク(Gackt)なんかでも是非見てみたいのだ

帰宅したときには、頭痛もいくらか治まっていた(でも、秘孔は相変わらず痛かった。・・・マスターはケンシロウだったのか? うごっ!ぐぇ、ぴょ?!)←バカ?

イタタ、イタタ、とうめきつつ昨日の日記を書いて、4時間ばかり寝て、今日はHさんと約束していた「ヴェルサイユ展」へ。

雨なので、一瞬中止しようかと思ったが、いやむしろ、悪天候の方が空いているはず、と思い直し、決行。

正解であった。

案外人出が多く。これで天気が良かったら、おそらくもっと混んでいたであろう。

ゆっくりと自分たちのペースで見て回って、およそ2時間。

高校時代に習った世界史よりも、むしろ池田理代子氏の名作『ベルサイユのばら』で培った知識を総動員して、ロココの世界に浸る(例の“首飾り事件”の首飾りのレプリカ(といっても、ダイヤモンドがサファイアになってるだけ!なんつー高価なレプリカ!)なんてのも展示してあった)

『週刊新潮』が“オスカルはおりません”と皮肉を書いていたが、ざーんねーんでーした(?)オスカルはおります。というか、オスカルが案内してくれるのです!!

「まんだらけ」のコスプレ店員を想像したそこのアナタ(東京都美術館が、そんなことやるか!)、違いますぞ。イヤホンガイドの解説を、『ベルサイユのばら2001 オスカルとアンドレ編』でオスカルを演じた、元星組トップスター・稔幸(ノル=現在主婦/笑)がやっているのだ!

正直、ぼくはこの解説を聞くために行ったといっても過言ではないのだ!

そんな、どーしよーもなくミーハーで、ルイ16世の肖像画を「せんだみつお」呼ばわりするアホバカ中年に付き合っていただいて、Hさん、ほんとありがとうございました。

お昼には優雅に『精養軒』でおフランス料理、といきたかったのだが、予算の都合でカレー(しょぼん。でも美味しかった)を食して帰宅したのだった。

雨のマイナスイオン効果のせいか、夕べ風呂でさんざん揉んだのが効いたのか、本日は頭痛も秘孔の痛みもだいぶ和らいでいる。

あとは『堂本兄弟』だけだな。


ておどる 【2006年以降に書いた日記はこちら】てくてくミーハー道場