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久しぶりに横浜の街を歩いた。 神奈川に住んでいてかつてこの街で働いていた人との 約束だったから、僕が希望した。
関内から桜木町へ。 横浜スタジアム近くの地下鉄の工事は終わっていて、 道がすっきりしていた。 学生時代、卒論のために足繁く通った横浜開港資料館は 相変わらずの瀟洒な佇まいだった。 資料館の帰り道によく立ち寄ったファーストフード店を 見つけて、思わず足が止まってしまった。
昨日、母校のウエブサイトを見ていたら、ゼミの恩師が 写真入りで載っていた。COEプログラムに参加しているらしい。 触発されて、先生の書いた本を読み返した。 まだ一年なのに、ずいぶんと知識が欠落してしまっていた。 でも、あの熱病に取り付かれたかのように本を読み漁っていた 日々が懐かしく思い出された。 そういえば、自分は何をしたいのだったか、 そう思い返すよい機会になった。 先生とはもう季節の挨拶状を交わすくらいの 関係になってしまったけれど、この春の異動が決まったら、 久しぶりに研究室を訪ねてみようと思う。 きっと先生はいつものようにオペラを聴きながら 象形文字のような筆記体の英語資料と格闘していることだろう。
目の前の事をこなすのに汲々としていて、 軸がぶれてしまいそうになるときに限って それを諭してくれる本や人と出会えて なんとか踏みとどまっていられるのだと思う。
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