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ちょっと早く帰れたので気まぐれに書いてみる。 とうにこの日記など忘れ去られているのかもしれないけれど。
ここまで間隔が開いてしまうと何から書いたらいいのか 困ってしまって、書き出すのにも何か「きっかけ」のような ものが欲しいところなのだけれど、今僕がこうして書いている からといって、その「何か」が見つかったわけではない。 ただ、書きたいなと思う気持ちが少しづつたまって、 いまこういう形で現れたのだと思う。
前回の日記を書いた数日後、正確に言えば2月15日の早朝、 僕は家を出た。36日間にわたる一人旅について、今は それを記すことが、物理的に精神的に不可能なのだけれど、 いつかどうにかしてそれを文章にしたいと思っていて、 その思いはむしろ日に日に強くなっている。
帰国して、すぐに引越しをして「社会人」になった。 要は週に5日長時間拘束を受け何がしかの作業をし、 その対価として月に一度給料をもらい、そのお金で 生活するようになったということだ。 その拘束の内容は1年前に自分が「主体的に」選んだ ものであるし、その拘束の内容自体には今の時点では 何の不満もない。むしろ楽しんですらいる。 けれど、今のこの生活が、2月15日までのそれとは 決定的に異なっていて、そのことをまだ完全に 吹っ切れてはいないのは確かだ。
大した荷物も持たずに実家を出て、今も実家の部屋は 片付いていない。そこに行けば2月15日までの生活が 悲しいくらいそのままに残されている。 もし僕があの旅に出なかったら、僕はこの生活に今ほど スムーズに移行することはできなかっただろうと思う。 それが出来たのは2月15日以前の生活と4月1日以降の生活の間に 劇的な変化が連続するあの旅を挟むことによって、 環境の変化に容易になじむことができるようになって いたからだと思う。
3ヶ月前の今日は旅の支度におわれていて、 2ヶ月前の今日はニースの海岸でただただ海を眺めていた。
振り返ることはいけないことではないと思う。 それを前を向く「ちから」に変えていくことが出来るなら。
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