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2000年12月09日(土) 見慣れた風景

心地よい疲労感と共に帰宅。2日ぶりの家。
今日はサークルの論文集発行とOB会。なんとか
どちらも無事終わってよかった。

木曜からキャンパスのすぐそばの友達の家に
滞在しつづけ、丸2日家を空けて原稿を書いた。
けれど、論文集の原稿を提出できたのが、
今日の13時過ぎ。大幅な締め切りオーバー。
改めて自己管理の杜撰さに反省。

書き終わった直後には論理的なミスやテーマ設定の問題点に
気づいたりして自分の勉強不足や準備不足を恥じた。
ただ、それでも自分の書いた原稿の載った論文集を手にした
ときはやはり嬉しかった。これは自己満足の域を出るものでは
ないとはわかってはいるが、問題点に気づけただけでも
収穫はあったということだろう。

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今日の午後はせわしなくキャンパス内を動き回った。
16時頃、コーヒーを手にベンチに座って一息つく。
もうすっかり見慣れた風景が広がっている。
土曜日のこの時間は学生の姿もまばら。

普段何気なく通り過ぎるキャンパスでは銀杏の葉がすっかり
黄色に色づいている。この季節の澄み切った青空を背景に
して聳えるこの地のシンボルはとても美しい。
この地で迎える9年目の冬。

いつの間にか大学3年の冬を迎え、この地を去る時が
現実味を帯びて刻一刻と近づいてきた。9年前、
まだランドセルを押入れにしまったばかりの頃、
この地で始まる生活に根拠の無い無限の希望を抱いていた。
この地を去るのは果てしなく先のことに思え、想像すら
することが出来なかった。

鮮明な記憶で覚えている。
9年前の2月、大雪で東京中の交通の麻痺したあの日、
初めてこの地と出会った。そのときはまだ、
この地に聳え立つ「シンボル」が自分の思い出の背景画
になるとは思えなかったし、自分はこの地に
ふさわしい人間であるとは思ってもいなかった。
けれどそういう人間になりたかった。
いつのまにか「ここ」は僕のすべてを受け入れ、
そして優しく包みこんだ。

次の冬、そしておそらく最後の冬、
無数の失敗と喜びの思い出を笑顔で振り返って、
僕はこの地に誰よりもふさわしい人間であったと
自信を持って言いたいし、そう言えるはずだと思う。




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