なんとなく書いてる

2002年04月21日(日) 漫画「女帝」完結。

3年ほど前から読んでいた「女帝」、もちろん、単行本でなのだけど、
今日、コンビニで、最終の24巻を見つけて、迷わず買ってしまった。

この漫画は、九州の母子家庭に育った少女が、水商売に入り、
様々な体験をしながら、最後には銀座の女帝と呼ばれるまでの
いわゆる、サクセスストーリーなのだけど、まあ、内容がおもしろい!

生まれ育ちの事、女同士の足の引っ張り合い、水商売の駆け引き、
やくざの世界、愛人の世界、政治の世界、世の中のあらゆる人間模様が
濃縮されている。はまりますよ〜〜

私個人の持論としては、女はある一定以上の位置に到達すると、
男からは「性欲の対象」を超越した存在になり得ると、考えている。

それがこの漫画で同じように描かれていたのが嬉しい。

一時は主人公「彩香」と男と女の関係があっても、最終的には、
人間対人間の関係となっていく男性達。

その他、彩香が「女帝」にまでのし上がる過程の物語には、
その舞台がもっとも「男尊女卑」的といわれる場でありながら、
実は一介に何の後ろ盾もない女が成功を掴む為に残された唯一の
最後の砦である、という事が明快に、小気味良く、描かれていたのだが、、、

しかし、24巻の最後に掲載された「その後」というストーリーは、
ちょっと興ざめだった。

彩香が、総理大臣の隠し子であったと世間に知られてから、
客がこう言う。
「やっぱり、ママは他の銀座の女達とどこか違うと思っていたよ」
「ママが“女帝”になったのは総理の“血”が流れてるからだな!」

うわっ、これは違うんじゃない?と思った。ここまで漫画「女帝」で
描かれていたのは、強烈な階級意識へのアンチテーゼだったはず!

彩香が総理の「隠し子」という事自体は、心震えるせつない設定だったが、
それが、世間に知られ、かつ、認められた、その後の「話」なんて、
描かなくてもよかっただろうに。

「種主義」でしょ、、、これじゃ、、、。

で、「その後」の話にはまだあって、彩香のライバルだった、同級生であり、
彩香の昔の恋人謙司(今は政治家)の妻となった梨奈(超お嬢様)が、
男勝りの権力志向の果てに、謙司との離婚を口にしたと聞き、梨奈に談判する為
家に乗り込む(!)場面。

そこで、彩香はこう言う。
「なぜ貴女は“私が、私が”と前に出ることばかり考えるの、
 夫に尽くし、ささえ、夫の成功が女の夢と、なぜ考える事ができないの!」

う〜ん、正論だけど、彩香に言わせる必要性があるのだろうか??

彩香は、銀座の女たちの老後の就職先を創設する為という大儀名文を携え、
最後には堅実な女実業家となる。

でも、前述した彩香の正論

>夫に尽くし、ささえ、夫の成功が女の夢

という生活を望んでも叶わなかった女性は沢山いるはずで、
そしてそんな女性を常に身近に見ていた人間こそ彩香であるのだから、
この漫画の最後でもいいから、そんな不幸な女性を作った原因の一部
について語ってもらいたかった。(特に身勝手な一部の男性ね。)

幸せな結婚をし、あたり前に生活していける人間は、幸運な
「当りくじ」を引いたに過ぎないのだから。

※(これは、特に最初の結婚について。だから、ホント、離婚した人は自分を
責めないで欲しい。不真面目かもしれないけど、「ハズレ」だったんだと、
あきらめて。次回に期待してみて欲しい。いい事がきっとあるから。)


ほんと、単行本掲載は本編だけで終わらすべきだったと、思うな〜


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