最有力候補だったメキシコ映画「パンズ・ラビリンス」を押さえて今年アカデミー外国語映画賞を受賞したドイツ映画「善き人のためのソナタ」を観てきた。予告編を観たときは善意を押し売りする(例えば浅田次郎の小説みたいな)あざとい映画を予想したが、それは筆者の杞憂だった。評価はB+である。これならオスカー受賞も納得だ。予定調和に終わらず、人生の苦さも噛み締める意外性のある展開が見事。東西ドイツ分裂時代の話かと思いきや、ドイツ統一後のエピローグがあったのには驚いた。なんとも鮮やかな幕切れにブラボー!