2004年06月09日(水) |
ヤンキーちゃんとロリータちゃん、キューティーハニーを撃退するの巻 |
早々と今年の最低映画の地位を確定してしまった「キューティーハニー」であるが、この映画の不運は大傑作「下妻物語」と同じ日に公開され、何かと比較され、その当然の結果としてゴミ屑扱いされたことにあろう。サトエリと深田恭子の演技力の格の違いも余りにも歴然としていて哀れだった。
公開初日の5月29日と30日の全国週末興行成績ランキングでは「下妻物語」が4位、「キューティーハニー」が7位で、ハニーは下妻の半分強の興行収入しかあげられなかった(ちなみに1位はセカチュウ。強い!)。そして2週目の6月5日と6日の興行成績は下妻が5位と健闘し、ハニーはあえなくランキング圏外に消えてしまった。
「下妻物語」の原作者、嶽本野ばら公式サイト5/31の日記(←クリック)には映画版について以下のように書かれている。
打倒、「世界の中心で、愛をさけぶ」。「トロイ」には負けるだろうが「キューティーハニー」には、絶対、勝つ。
作品のクオリティの格が違うもの。。映画「下妻」がヒットしなければもう、日本映画には絶望しよう。一回観たより二回、三回観るほうが「下妻」の質の高さが理解出来る。
結局、原作者の願い通りに事態は進んだ訳だ。そして<作品のクオリティの格が違う>という感想には僕も全く同感である。
「下妻物語」の評価は文句なしにAを進呈しよう。真に清々しいバディ・ムービー(相棒映画)の登場である。決して他人の思惑に左右されず、我が道を行くヤンキーちゃんとロリータちゃんのハードボイルドな生き様が天晴れ。コメディとしてもすこぶる面白く、出色な出来である。演出にも勢いがあって疾風怒濤の展開に唸った。中島哲也監督はぴあフィルムフェスティバル(PFF)に入選してデビューした人で、いかにも自主映画出身者らしい瑞々しい映像感覚には好感度大だった。
フカキョンの演技力にも目を瞠った。特に映画の終盤、スケバン相手に啖呵を切る場面の迫力は圧巻だった。そして新人の土屋アンナ!もう彼女が兎に角、素晴らしい。今年の新人賞総なめは間違いなし。これはまさしく事件である。
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