2003年08月02日(土) |
IMAXで、もうひとつのタイタニック |
大阪天保山サントリーミュージアムのIMAXシアターで「ジェームズ・キャメロンのタイタニックの秘密」を観た。立体映像のドキュメンタリー映画で3D眼鏡をかけての鑑賞。
キャメロンといえばレオ様とケイト・ウンスレット主演の超大作映画「タイタニック」の監督でもあるのだが、今回は2001年夏新型のカメラを開発した上で水深3650メートルの海底に眠るタイタニック号を撮影するという趣旨である。オフィシャルページはこちら。
何よりもこの作品で愉しいのはキャメロンのタイタニック号に対するこだわり、情熱である。劇映画「タイタニック」の冒頭でも海底のタイタニック号を捉えた映像があったわけだから、キャメロンが実際の事故現場でキャメラを回すのはこれで二回目になる。それも深海に潜るのをキャメラマン任せにするのではなく、自らも危険を冒して海底3650メートルまで赴き、陣頭指揮をとるのだから恐れ入る。本当にタイタニックが好きで好きで仕方がない、自分のこの目で観たいんだという気持ちが画面を通して直にこちら側に伝わってくるのである。その瞳は冒険に憧れ、強い意志を持った少年のそれ、そのものである。
ドキュメンタリーの中身は大したことない(笑)。大体、リモート操作で制御し船内を撮影するロボットがトラブルで回収不能となり、別のロボットでそれを救出するというのがこのドキュメンタリーのクライマックスなのだから、肩透かしを喰らって何それ?って感じ。3D映像もはっきり書くがこのドキュメンタリーには全く何の必然性もなく、殆どその効果も上げていない。
でもね、まるで子供のようなキャメロンのはしゃぎっぷり、熱い想いに総てを許そうという気になっちゃうんだよね。「しょうがないなぁ、この腕白坊主は。でもそんなにタイタニック号が好きなんだったら仕方ないか」って。3Dにしたのも、そうやってハッタリかまして話題性を作り、IMAXシアターという大仕掛けの見せ物小屋で上映すれば沢山の人々にボクの大好きなタイタニックを見てもらえるだろうというキャメロンの意図が痛いほど分かるから不問としよう。
これは<タイタニックおたく>の物語である。下らないことに情熱を注げる人間の姿は滑稽でもあり、また限りなくいとおしい。
筆者はアカデミー賞を史上最多12部門制した映画「タイタニック」は余り好きではないし、評価していないのだが、このドキュメンタリーを観てキャメロンの<無償の愛>に触れてしまった今、もし再見したら、悪口が言えなくなりそうだなぁ。
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