2003年06月07日(土) |
マトリックスとエヴァンゲリオン |
これは、前回の日誌からの続きである。
前回、いかにマトリックスという映画が、神話や聖書からの引用に溢れているかについて解き明かした。それで想い出す作品が「新世紀エヴァンゲリオン」である。あの一大ブームを巻き起こしたアニメーションは旧約聖書との密接な繋がりがある。そのあたりのことはこちらに詳しく解説されている(←クリック)のでご参考あれ。そう、マトリックスは実はエヴァンゲリオンだったのだ。
考えてみればマトリックスの作品世界では人間の大半がコンピューターの制御下におかれ、羊水みたいな液体中に培養されている。これはエヴァンゲリオンにおけるLCLという液体に満たされた操縦席のカプセルを彷彿とさせるではないか。エヴァが放送されたのが1995年、マトリックスが公開されたのが1999年だからウォシャウスキー兄弟がエヴァの影響を受けていると仮定しても決しておかしくはないのである。ちなみにエヴァのTVシリーズおよび劇場版は既に北米でDVDも発売されている。
ウォシャウスキー兄弟は実は漫画とジャパニメーションおたくである。大体彼らがマトリックスの企画を売り込む時に押井守監督のアニメーション「攻殻機動隊」を引き合いに出したというのは余りにも有名な話である。この両者の切っても切れない関係は例えば検索エンジンGoogleで「マトリックス」「攻殻機動隊」「押井守」などのキーワードで掛ければ無数にヒットするので、嘘だと想うのなら試されたら良いだろう。
だからウォシャウスキー兄弟がマトリックスの第一作とリローデッドの間を繋ぐ物語として短編アニメーションのオムニバス作品「アニマトリックス」を製作し、しかも9本の作品中、実に7本が日本人のアニメーターに委ねられたというのは当然の帰結なのである。
さて、今年のカンヌ映画祭において「新世紀エヴァンゲリオン」がハリウッドで実写映画化されると発表された。記事はこちら。製作は日本のガイナックスと日本製アニメの海外配給を多数手がけてきたアメリカのADV Films。VFXを「ロード・オブ・ザ・リング」の第一部と二部で二度オスカーを獲得したニュージーランドのWETAワークショップが担当する。是非この監督にウォシャウスキー兄弟をと願うのは僕だけではないだろう。まあ、ハリウッド版「ドラゴンボール」の監督でも良いのだけれど(笑)。
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