エンターテイメント日誌

2003年02月19日(水) ジブリ美術館再訪と江戸東京たてもの園

宮崎駿さんが企画・設計した三鷹の森ジブリ美術館へ往ってきた。実は去年既に訪れており、これが二回目になる。ジブリ美術館では新作短編アニメーションを月替わりで上映しており、前回観たのは「くじらとり」という作品であった。実はこれ、絵のタッチが従来の宮崎アニメとは異なっており、当初は若いスタッフに任せているのかな?と想いながら観たのだが、ちゃんと宮崎さんが監督で、絵コンテも書いておられることを後で知り、驚いた。

今回訪問する最大の目玉は昨年10月から上映されている「めいとこねこバス」を観ることにある。勿論、原作・脚本・監督は宮崎さん。タイトルから分かる通り、「となりのトトロ」の姉妹編である。今回はめいが主役なのだがちゃんとサツキやトトロも特別出演してくれて嬉しくなる。それから可笑しかったのがねこバスという生き物はなんと赤ん坊の時は足が6本で、成長するに従って足の本数が増えてくるという事実を今回初めて知った。

なんとも贅沢なことに音楽は今回も久石譲さんが担当されていて演奏は東京フィルハーモニー交響楽団という豪華版だ。最高!「となりのトトロ」に登場した懐かしい各種テーマ音楽が再現されるとともに、新しいテーマも幾つか登場してワクワク愉しい。美術館で限定発売されているサウンドトラック版も当然購入した。

映像展示室「土星座」で映画に真剣に見入っている子供たちはキャアキャア喜んでいるし、大人たちも童心に返ってにこにこ顔だ。韓国人の旅行者らしき集団(20代くらい)が10人ほどいて、彼ら彼女らも韓国語でワイワイと言葉を交わしながら心底愉しんでいた。「千と千尋の神隠し」は韓国でも大ヒットしたそうだから東京ディズニーランドに遊びにきたついでにジブリ美術館に立ち寄る旅行者もいるのだろう。さすが世界のミヤザキだ。

予想外で嬉しかったのは現在美術館では「天空の城ラピュタと空想科学の機械達展」という特別展をやっていて、なんとここでも宮崎さんの新作アニメ「空想の空飛ぶ機械達」というのを観ることが出来た。ラピュタに出てきたような奇想天外の空の乗り物達がもうワンサと登場。完全に宮崎さんの趣味に走ったマニアックな掌(たなごころ)の作品である。宮崎さん自らナレーションをしているわ、音楽がこれまた久石さんだわでもう嬉しくってニヤニヤしながら観た。作品に登場する乗り物の実物大模型まで展示してある。特別展では「空想の機械達の中の破壊の発明」という短編アニメも上映されており、こちらの監督はなんと新世紀エヴァンゲリオンの庵野秀明さん!いやはやもう、恐れ入りました。

ジブリ美術館の後は「千と千尋の神隠し」に登場する街並みのモデルとなり、映画の制作報告記者会見も行われた江戸東京たてもの園を訪ねた。ここでは現在、特別展「江戸東京たてもの園と千と千尋の神隠し」が行われている。映画で使用された原画と動画の全てが展示されているのだから壮観だ。しかし笑ったのが、生でセル画や背景画を見るとDVDの様に画質が赤いことは全くない。考えてみればジブリの主張する「製作者の意図した色調」とは生の絵を見れば明らかではなかろうか?赤いDVDをめぐって現在争われている裁判で、原告側がこの生の絵を証拠として提出すれば、ジブリとDVD発売元のブエナビスタ側の敗訴は間違いないだろう。

追伸: きょうこ味メモさんが、今度「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」のメガフォンを取るアルフォンソ・キュアロン監督の映画を取り上げ、1/18のエンターテイメント日誌に書いた<キュアロン・グリーン>(筆者命名)に関してもコメントされている。ちなみに「アズカバンの囚人」は既に撮影が開始された模様。そのロケの様子はこちらで垣間見られる。キュアロン監督とラドクリフ君のツー・ショットの写真もある。さてキュアロンの朋友、撮影監督のエマニュエル・ルベツキーが本当に「アズカバンの囚人」にも参加しているかどうか気になるところ。ちなみに筆者はキュアロン作品の中では「天国の口、終わりの楽園。」よりも「リトル・プリンセス」の方が断然好きである。


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]