「ロード・トゥ・パーディション(地獄への道)」を観た。サム・メンデスは素晴らしい監督だ。彼が演出した舞台ミュージカル「キャバレー」も大好きだし、今後も舞台演出と映画監督の二足のわらじで頑張ってもらいたい。是非ミュージカル映画も撮って欲しいな。
まあ物語としては展開が見え見えで、特にラストはそう終わる以外にないだろうと簡単に予想がついて物足りないが、この作品の価値はプロットにあるのではなくてその描写力にこそあるのである。
「アメリカン・ビューティ」でアカデミー撮影賞を受賞したコンラッド・L・ホールの仕事が今回も感歎の溜め息が出るくらい完ぺきである。灰色を基調とした寒々と研ぎ澄まされた映像。それが父と子が町を出るとともに色彩が絶妙に変化してくる。その映像設計に唸らされる。今回も受章出来るのではなかろうか。
大御所ポール・ニューマンが流石の貫録なのは無論の事だが、猫背の殺し屋役をしたジュード・ロウがいやらしい感じで良い。トム・ハンクスは「ユー・ガット・メール」の頃、太り過ぎでこれは見れたものじゃないなぁと思っていたのだが、今回ちゃんと体重を落として役柄に相応しい体形になっているのもお見事だった。・・・というか、漂流もの「キャスト・アウェイ」の時に絞ったんだろうけれど。
「ゴッド・ファーザー」がイタリア系マフィアだったのに対し今回はアイルランド系のギャングのお話だったというところが非常に興味深かった。ただしニューマンもハンクスもアイリッシュには見えないんだけれど(笑)。
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