2002年07月13日(土) |
エピソード2を2倍愉しむための幾つかの事項 |
いよいよ7/13より「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」の公開である。筆者はひと足お先に先々行オールナイトで観てきて、その感想は既に7/1の日記に書いた。未読の方は目次から飛べるので参考にされたし。今回はエピソード2を観る前に予めこれだけは知っていると、より愉しめるということを幾つかか列挙してみよう。もし読んで参考になったという方は下の投票ボタンを押して頂けるとさらに嬉しい(笑)。投票数が増えるとやる気が起きる。応援ヨロシク!
ちなみに筆者はエピソード4が公開された時から全シリーズを映画館で観ている。エピソード4公開当時はまだ小学生であり、父親に連れて行ってもらったことを今でも鮮明に覚えている。1997年に20周年記念として一挙公開された4,5,6の特別篇も勿論観に行った。
旧三部作であるエピソード4,5,6に対して、新シリーズのキーワードは「デジタル化」である。そしてエピソード2最大の目玉は縦横無尽に暴れ回るヨーダであろう。前作までのヨーダはフランク・オズによるマペット操演であり、どうしても動きに制約を伴う。そこでルーカスは今回ヨーダの完全CG移行に踏み切った。実は僕はCG化によってヨーダ本来の温もりが損なわれるのではないかと危惧していたのだが、どうも杞憂に終わったようだ。表情がより豊かになり、哲学的雰囲気も加味された。しかし「マペットのヨーダの方が味があって好きだ。」という友人もいて、人の受け止め方はそれぞれだなぁとつくづく想う。
またエピソード2では初めてフィルムを一切使用せず全てソニーが開発したデジタル・ハイビジョン・カメラで撮影された。つまりフィルムに変換されたものより、デジタル上映されたほうがより原版に近い鮮明な映像で観ることが出来る。これは「DLPシネマ」と呼ばれ、日本でも全国10ヶ所で上映されている。僕は残念ながら未見なのだが、DLP版では編集も異なりフィルム版にないカットもあるそうである(例えばラストでアミダラとアナキンが手を繋ぐとか)。ルーカスは公開直前になって追加撮影を思い立ち、DLP版では再編集が間にあったものの、フィルムに落とす作業までは時間がなかったというのがどうも真相のようである。
クリック→DLPシネマ上映館の情報はこちら ところでSWファンの間では常識なのだが、案外知らない人もいるようなので念のために書いておく。<パルパティーン議員=ダース・シディアス(シス暗黒卿)=未来の皇帝>という公式をご存知だろうか?その根拠は明白。旧三部作で皇帝役をした役者、イアン・マクダーミドはパルパティーンも演じているのである。エピソード1にはこの両者が同一人物であるということを暗示させる場面が幾つか挿入されている。つまり新シリーズはアナキンの物語であるのと同時に、パルパティーンがどのような手段で強大な権力を握り、皇帝にまで昇りつめるのかという「謀略史」としての面白さが、裏のサブストーリーとなっているのである。このことが頭にあれば、何故エピソード2終盤のあのタイミングに「帝国軍(ダース・ベーダー)のマーチ」が高らかに鳴り響くのか理解出来るだろう。しかし<パルパティーン=シディアス>という定説には唯一保留があって、パルパティーンはシディアスのクローンではないかという仮説も囁かれている。
完全CGキャラクターとして初めてエピソード1で登場したジャー・ジャー・ビンクスは「ジャー・ジャーを抹殺せよ!」という過激なサイトが登場したり、わざわざジャー・ジャーが登場する場面をカットして編集したビデオが出回るなど徹底的にSWファンから煩がられ、嫌われた。これはルーカスの予想外の出来事で相当頭を悩ませたらしい。だからエピソード2では一転、ジャー・ジャーの登場場面は減少し、これがエピソード1よりも好評な理由ではないかとさえ想われる(笑)。それのみならずなんとエピソード2ではパルパティーン独裁体制への道を切り開いたのが他ならぬジャー・ジャーであったという驚愕の事実が明らかとなる!多くのジャー・ジャー嫌いの人たちは溜飲を下げたことであろう。それにしてもルーカスもなかなか残酷なことをするものである。
エピソード2には旧三部作の中間エピソードとなったエピソード5「帝国の逆襲」と対をなす場面が多い。特に今回初登場となる悪役ドゥークー伯爵がアナキンと決闘する際に、ダース・ベーダーがルークに対して行った行為を彷彿とさせる場面がある。その為にファンの間ではドゥークーがアナキンの父親ではないかと大いに話題になっている。アナキンの父親についてはいろいろと議論があり、シディアス説、アナキンの母親が語った通りの受胎告知説や、アナキン=クローンという珍説まである。まあ僕としてはドゥークーとかシディアスでは(前回と同じパターンの踏襲となり)余りにも意外性が乏しく嫌だなあと想うし、そんなオチならむしろエピソード3でも結論の出ない方が良いのではないかと考えるのだが、どうだろう?
最後にE.T.とヨーダの友情について語ろう。映画「E.T.」の中でハロウィンの日にヨーダが現れて、親近感を抱いたE.T.が近づこうとするほほ笑ましい場面がある(ここでウイリアムズはちゃんとヨーダのテーマを挿入する)。おそらくこれに対する返礼なのだろう、「スター・ウォーズ エピソード1」ではアミダラ姫がバローラム最高議長の不信任案を提出する元老院の場面でE.T.がチラッと登場する。スピルバーグとルーカスの厚い友情を伺わせる逸話と言えるだろう。実はエピソード2にもE.T.は特別出演しているのだが、それがどの場面かは各自、映画館で確認して欲しい。
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