エンターテイメント日誌

2001年06月23日(土) イタリア映画の神髄(おまけ:A.I.先行オールナイト)

今日は「A.I.」先行オールナイト、「マレーナ」「みんなのいえ」と、一気に3本も観て多少疲れた(^^;。でも3作品とも愉しめたので心地よい疲労である。ネタが出来たのでこれからしばらくは立て続けに更新しますよ(^^;。乞うご期待。

「A.I.」は先行<オールナイト>と称しながら、朝から晩まで上映していた(笑)。恐らくこれには裏がありそうだ。先行オールナイトの動員人数は全て初日の動員数に加算されるそうである。例えば同じスピルバーグの「ロスト・ワールド」は2週に渡り<先々行オールナイト><先行オールナイト>を行い、そのおかげで空前の初日動員人数の記録を作った。だから<先行オールナイト>を朝から晩まで展開すればそれだけ初日の動員人数が膨れあがるという仕組みなのだ。そんなセコイことしてまで記録を塗り替えたいのかねえ。オマケに「本日は特別興業なので各種割引は一切使えません。」と1800円取られて腹が立った(^^;。思い上がるなよ、ワーナー・ブラザース!!

映画の方は確かに優れた作品だと想うが、かなりプロットに矛盾があり、SFとしても整合性に欠けるのでスピルバーグの過去の傑作「未知との遭遇」や「E.T.」を越えたとは想わない。詳しくは後日論じよう。

「マレーナ」は久しぶりにこれぞイタリア映画!という作品に出会ったという想いを強く抱いた。燦々たる陽光。シチリアの風景が限りなく美しい。そして陽気で開けっぴろげな人々。興奮してビシバシ子供をひっぱたく父親も如何にもイタリア人気質で微笑ましい。大らかな性描写さえ、往年のイタリア映画「青い体験」などを彷彿とさせ、なんだか懐かしさを感じた。ヒロインのモニカ・ベルッチは全く僕の好みではないし美人とも想わないが、ソフィア・ローレンの再来と言われるだけあって、大柄でいかにもイタリア女優という雰囲気を醸し出していた。そしてファシスト党の台頭と敗退、連合軍の進駐という歴史の流れが巧みに物語に組み込まれていたと想う。ヒロインが集団リンチを受ける場面は好きになれないが、救いのある結末となっているのが清々しい後味を残してくれた。そして嗚呼、モリコーネの心に滲みる音楽よ!

僕はジョゼッペ・トルナトーレ監督の「ニュー・シネマ・パラダイス」を今でも心底愛してるのだが、その後の「明日を夢見て」や「海の上のピアニスト」等、ノスタルジーに溺れた後ろ向きの姿勢にウンザリしてしまっていた。特に「海の上のピアニスト」は、生涯船の中から外へ一歩も足を踏み出せない主人公だなんて、おとぎ話にもなってないし全く感情移入できない。ただただ感傷的でアホらしく、大嫌いだ。だから「マレーナ」には正直全く期待していなかったのだが、少年の初恋の想いが素直に伝わる生き生きとした青春映画になっており、久しぶりにトルナトーレの作品に好感を持てたのが嬉しかった。

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