北野武の新作BROTHERを観て最初に感じたのは「ソナチネ」に似ているなあということだった。逃亡先が沖縄からロサンゼルスに変わっただけ(^^;。 北野映画は、「その男、凶暴につき」から、死に向かってひたすら突き進む主人公を描いてきたが、あのバイク事故の後撮った「キッズ・リターン」で、死の願望から再生への祈りへと主題が転換したのかと想っていた(とくに最後の台詞がそれを感じさせた)。 しかしながらここにきて振り出しに戻ってしまったという印象を受けた。 まあ、これはアメリカデビューということで自分の得意とするジャンルから 始めたといったところなのだろうか? それにしても「HANA-BI」における桜や富士山、BROTHERにおける切腹、指つめなど、あまりにも「ガイジン向け」類型的な日本像が映画で描かれていることが気になる。 久石譲さんの音楽はまるで「死刑台のエレベーター」におけるマイルス・デイビスみたいなトランペット・ソロが印象的で、JAZZYな雰囲気を醸し出しており、なかなか新境地だなあと関心した。
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