東京の片隅から
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| 2018年01月24日(水) |
「熊谷守一 生きるよろこび」展 |
会社を午後休んで、竹橋東京国立近代美術館の熊谷守一展へ。 熊谷との出会いは、ずいぶん昔にテレビで紹介されていたのを見て、要町に見に行ったのが最初だ。あのときはまだ私設美術館だった。今は豊島区立になっている。
長命だったので、展示点数が多い。初期の暗く写実的な絵から晩年の抽象画一歩手前までずらりと並び、画風の変遷は近代美術史を見るよう。ただ、光と影の表現、特に逆光で輪郭が浮かび上がるような表現は初期の裸婦像でも見られていて、最初から最後まで一貫しているのだなぁと思う。 ところで、彼の著書のタイトルが「へたも絵のうち」というのだが、見ると全然下手じゃないのであった。プロだから当たり前なのだけど、最初から、配色もモチーフのかたちも配置も、とにかくすごいな、上手いな、としか言いようがない。やはり基本のデッサン力・表現力あってこその「崩し」なのだなぁというのを実感する。 晩年の熊谷は同じデッサンをもとに何枚も描いていて、展覧会でも同じデッサンをもとに描かれた複数枚を並べて展示してあって、これが面白い。見ていてニヤニヤしてしまう。 塗り方を変えてみたり、重視するモチーフを変えてみたり、時系列で色彩が違ったり。モネの睡蓮やルーアン大聖堂を思わせる。芸術家であるとともに職人気質でもあったのかな、と思う。
すっかりパワーを吸い取られ、睡魔に襲われ(緊張したり集中しすぎると眠くなるのはなぜだろう)、途中ソファで休憩しながら見る。
時間が少し余ったので、要町の熊谷守一美術館にも足を伸ばした。 油彩主体の竹橋と異なり、こちらは墨彩やデッサンもある。デッサンを見ると、さらさらと落書きのように描いたようで、それでいてやはり対象の捉え方がすごいとしか言いようがないのであった。
また油彩書きたいなぁ。
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