東京の片隅から
目次きのうあした


2017年11月10日(金) 「怖い絵」展

「怖い絵」展に行ってきた。目当ては「レディ・ジェーン・グレイの処刑」。いつかテートまで見に行かなければならないと覚悟していたのですが来日すると、これは見に行かねば、と思った次第。

ツイッターで調べると「並んでたからあきらめた」とか「めちゃめちゃ混んでた」とか出てくるのでどんだけ混んでるんだよと思ったら平日50分とかで、鳥獣戯画や若冲やコミケの一般入場列を体験してきた人間にとっては、それは混んでるうちに入らないのであった。むしろ空いてるレベルだよ!と思って午後半休で行くことに。ところが電車の中でチェックしたら急遽10時開館を9時に早めたとのこと。えええ・・・ だったら一日休みを取ったなぁ・・・
上野に着いたら50分待ちだったのだけど、実際にはそこまで待たずに入場したと思う。 実際入場までの時間は35分くらい。
問題は中で、上野の森美術館、狭い上に動線も悪い。さらに今回の展覧会は「怖い絵」というテーマで絵を集めてあり、西洋古典が題材のものが多く一つ一つに丁寧な説明文がついている。その字を読むために足が止まり、イヤホンガイド対応の絵の前で人が詰まり・・・と、あちこちで流れが止まる。作品点数も多いし、要するに展示スペースのキャパ不足なんだろうな・・・と。

目当てだった「レディ・ジェーン・グレイの処刑」はとにかく素晴らしかったの一言に尽きた。衣装の素材の質感の差(シルク、ベロア、ウール、毛皮など見てわかるくらい描き分けている)も表情も素晴らしいの一言。これ一点見ただけで私は満足。まさか日本で見られるとは・・・。 テートでこの作品の前の床が磨り減るのもわかる。

全体の感想としては企画の勝利だな、と。もちろんビアズリーもゴヤもあるし、これだけ集めたのは素晴らしいのだが。
ただ、「怖さ」という点からはさほどでもなかった。私がずっと展覧会に通ってきた人間で、怖い絵薄暗い絵残酷な絵を見慣れているのもあると思う(笑)。絵巻物でも油絵でも彫刻でも生首血しぶき何でもありだからなぁ・・・というかそれを排除すると風景画と肖像画しか残らないんじゃないかと。普段印象派などしか見ていない人はショッキングなのかも?
あと、一言キャプションは余計かなと。絵そのものを楽しめない。

終わってから上野をぶらぶら。先週オープンしたばかりのパルコヤも覗いてみた。思ったよりは狭くて、服飾系のお店よりも雑貨のお店の方が多かったのが意外だけど、全体的にはわりと好きな方向かも。
これまで上野は20代向けの丸井やABAB、50代以上向けの松坂屋はあったけど、その中間をターゲットにした店がなくて(敢えて言うならエキュート上野がそうなのかも)そこを補うという点からパルコは悪くない選択肢だと思う。上野で?という意見もあるようだけど、本郷や湯島などのバス圏にはタワーマンションが沢山建っていて購買力のある顧客予備軍はいるし、コンサートや美術館に来たお客さんでアメ横あたりのごちゃごちゃ感が苦手な人は一定数いる。御徒町まで足を伸ばしてもらうきっかけになるのではないかな。


はる |MAIL