東京の片隅から
目次きのうあした


2016年04月30日(土) 萩尾望都SF原画展「宇宙にあそび、異世界にはばたく」

萩尾望都SF原画展「宇宙にあそび、異世界にはばたく」に萩尾ファンの友人と行ってきた。

何と言っても入場料が100円。ありえねぇ。(これ佐々木マキ展の時にも言ってたな・苦笑)

今回はSF関連の作品に絞った展示。といってもSFとファンタジーの境界は曖昧なもので、要するに実社会(現代や今描いている中世も含む)以外の作品はすべてSF、というくくりでいいのかな?もともと自分が好きな作品がそちら方面のものが多いので、とても嬉しい。
最初に読んだ「11人いる!」、初期の「ユニコーンの夢」「精霊狩り」から「百億の昼と千億の夜」「銀の三角」「マージナル」「バルバラ異界」へ続く系譜。本の挿絵や表紙イラストなども展示されている。
美しいカラー、繊細なモノクロ原稿。柵がないのでガラス越しの原稿ギリギリまで寄って見られるのが有り難く、食い入るように見る。ただただ溜息。

ここから下は元・漫画研究会部員の戯れ言ですw
Eテレ「漫勉」の時に知ったのだけれど、あの線が本当にGペンなのか。
主線はともかく、衣服の皺や巻き髪もGペンなのか。
スクリーントーンは自身で貼っておられるのはテレビでもやっていたけど(それだけでも驚愕)、あの繊細な点描や網掛けは何ペンなのか。丸ペン?Gペン?アシスタントさんが手がけておられるのだろうけど、あのナワカケの繊細さ、密度のグラデーションの美しさは神。 そのほかにもスクリーントーンだと思っていたところが実は手書きだったという衝撃も。
そしてモノクロ原稿の緻密な世界に印刷が追いついていないという事実を強烈に目のあたりにする。

カラー原稿もそう。画材はカラーインク(と、ときどきカラートーン)だと思われるのだけど、ときどきはっとするような一歩間違えるとどぎつくなる色の組み合わせもあり、中間色グラデーションの甘い世界あり。
所々入っているホワイトの修正。効果だけでなく、いったん描き込んだものを敢えて消した、という思考プロセスが気になる。
「六月の声」でエディリーヌの語りはじめで口が消されている。一度は描いたものの消したのだろう。敢えて表情を乏しくすることでエディリーヌの感情を読みづらくし、主人公の「彼女が何を考えているのかわからない」という当惑に、より読者を近づける、そんな効果があるように思う。
そのほかにもいろいろ。見れば見るほど発見が。至福の時間。
そして絵が描きたくなる。

ずいぶん友人を待たせたあげく、しかもそのあと美味しいご飯の店とか探してくれてたり、ウインドーショッピングとかにもつきあってもらったりしてしまった。 申し訳ない。


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