東京の片隅から
目次きのうあした


2015年07月12日(日) 「はだかの太陽」

アシモフ「はだかの太陽」読了。ロボット3部作は、第1作だけ読んで放り出していた。だってミステリィ系あまり好きじゃないんだよー。ルパンとホームズと乱歩は読んだ、クイーンもかじった、でもポワロやクリスティはどうも入り込めなかったんだな。結局のところ、私が好きなのは冒険小説・幻想耽美系であって推理ものじゃないんだな。
それから四半世紀、ハヤカワが新訳を出したので買ってみたのだが、妹の廃棄本の山からもらってきた積ん読の山にもあったことに気づく。こんなん2冊もあってどうするんだ(苦笑)
推理ものとしては正直微妙かも。謎解きものを読み慣れていない私でも途中でおおよそのトリックは分かってしまう。でも謎解きは本筋じゃない。
それ以上にソラリア社会の表現が面白い。ロボット=人じゃないから裸体(身体表現)に無頓着なところは、「召使いは人間じゃない」から召使いの前で平気で裸になっていた中世〜近世のヨーロッパ貴族社会を思わせる。直接対面を極端に避けるのになぜか結婚というシステムがあり、出産がコントロールされているのに受精卵に至るまでのあれこれは現代の我々と変わらないかより古い。まぁ、この作品が書かれた当時では人工授精が現実的じゃなかったからだと思うが、出産=世代交代を実現するためにやむを得ず存続させたのか、それとも作者もそこまで本能を否定できなかったのか。「子ども」ということばがタブーになっている(その前提条件を想像させるからだろう)こととか、その矛盾、捨てきれない生物としてのサガが興味深かった。
そしてどうしても同質社会からはみだしてしまう人はいるんだな。そういう人に対する救いがあるのはほっとする。


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