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2003年12月10日(水)
♪キーロフバレエ『シンデレラ』・『ロメオ&ジュリエット』・『白鳥の湖』、BBSより


BBSからの転載(見に行ったその夜にサラッと書いたので詳しい内容でははないですが...)


◆ キーロフバレエの『シンデレラ』12/3 
(ヴィシニョーワ&メルクリエフ) 


キーロフバレエの『シンデレラ』を見てきました。
人気のヴィシニョーワが出演、初お目見えの演目でしたが、端の方の席は空席が多かったように思います。始まる前にロビーにいたらピアニストのキーシンさんを見かけましたよ。
簡単に感想を言いますと、たいへんおしゃれな作品に仕上がっていました。
プロコフィエフの音楽も現代的なテイストを持っていますが、そのイメージを上手く生かした作品でしたね。
振付にはコミカルさも多くありますが、主役2人の踊りは、伸びやかで美しく作られていて、ウットリする見せ場もあります。
色彩感も主役と周りのダンサーの色合いが全く違い、主役は抑えたトーン、その他のダンサーは濃くて鮮やかな色を使っていました。
四季の精がグロくてちょっぴり??

継母と義姉達は、今まで見た『シンデレラ』の中で、一番気に入れました。
特に継母のアレクサンドラ・イオシフィディの艶やかさは、登場のたびに目を引くこと!
義姉のヤナ・セレブリャコーワ、エレーナ・シャキナの凸凹コンビも、演技や表情がとてもよかったです。(スタイルが良くないのも役としてはいいかも!)
セットはシンプルですが、2幕の奥行きのある大回廊のような美術も大変美しかったです(遠近法の見本みたい)
しかし、本当にキーロフのダンサーは揃って理想的な身体をしているなぁ。
コール・ドの隅々まで他のバレエ団と比べると全然違いますね。美しいです


◆ キーロフバレエ『ロメオ&ジュリエット』12/6
(オブラスツォーワ&バラノフ) 


12月6日の公演は予定していた主役2人が変更。
ジュリエット役にエヴゲーニヤ・オブラスツォーワ、ロメオ役にヴィクトール・バラノフ氏が代わって踊ることになりました。
ところでバラノフ氏が登場するとは意外でしたね。かなりの大ベテランですが、正直今でも踊っている方だったとは…。
昔も今もノーブルで癖のない正統派といった感じですが、やっぱりこのロメオという役を踊る上での若さ、熱情、狂おしい情熱というものを強く演じて欲しかった私には、何かもうちょっと発散したものを見たかったかな。
まぁ私の理想のロメオ像より大人で紳士な雰囲気だったという事です。踊りも丁寧でした。

そしてオブラスツォーワ♪ 彼女は今回見ておいて良かったですね。
ジュリエットのイメージにピッタリの小柄な可愛らしい容姿。(パンフのプロフィール写真より明らかに可愛い)
自分の表現できる全ての力を注ぎ込み、役に入り込んで演じたジュリエットが素晴らしくて、見ていてとても共感できました。華もあるし、初々しいし、これからがとても楽しみなダンサーです。
1984年生まれで(ちなみにバラノフ氏はこの年バレエ学校卒業)、まだ階級はコール・ド・バレエということですが、抜擢の期待に応えてとても立派だったと思います。

演目自体も物語に入り込める作品でした。数多くある色々な版の『ロメ&ジュリ』の中でも猥雑さのない上品な感じ。私は好きです。
周りの名脇役が力強くて、ティボルト役のピハーチェフの雄雄しさ、マキューシオ役のメルクリエフのお茶目さ、キャピュレット卿役のポノマリョフの目力と迫力、キャピュレット夫人の毅然な態度と狂乱ぶり…。皆さん素晴らしい。


◆ キーロフバレエ『ロメオ&ジュリエット』12/7
(ヴィシニョーワ&バラノフ) 


開演と同時にワジーエフさんが登場し、ロメオを踊る予定だったアンドリアン・ファジェーエフが怪我をして、代わりに昨日ロメオを踊ったバラノフが再び主役を踊ることになったと説明。
ファジェーエフをとても見たかったので、ちょっとガッカリしましたが、直ぐに幕が開き、素晴らしいパフォーマンスに酔いしれていきました。
連続で観ても、本当にキーロフの『ロメ&ジュリ』は素敵です。
そういえば、幕間にファジェーエフのサイン会がありましたね。(私は列に並びませんでしたが…)

さてバラノフですが、今回の方が恋に邁進している様子がひたひたと伝わり、品の良い踊りも美しかったです。ジュリエットの死(実は仮死)を知った時の、どうにもならない悲しみと嘆きの様子、終幕に向う展開の中で、どんどんロミオ像が見えてきました。

そしてヴィシニョーワですが、近年観た公演の中で、役の解釈の緻密さや心が伝わってきて、とても良かったですね。
彼女が少女としての無邪気さを表したのは、最初だけ。
ロメオに出会ったときでも恋を知った晴やかな気持ちよりも、不安や戸惑いを表現していて、全体的にしっとりとした感じがしました。
場面場面での細やかな表情の説得力、踊りのテクニックが優れているだけではない素晴らしい表現者に成長していたのですね。
彼女のジュリエットは希望に満ちた未来ではなく、よく解らない暗く澱んだ“何か”に恐れを感じているように見えました。
最後には涙が…。

終演後、特別協賛の聖徳大学関係者のパーティー準備で、ロビーが通れなくなりました。
これ見よがしにちょっとアレはなぁー というか、キーロフ・バレエ団の皆さんとの懇親会らしいのですが、ちょっと羨ましかったりも…。


◆ キーロフバレエ『白鳥の湖』12/9
(パヴレンコ&コルスンツェフ) 


会場に到着したら、予定していたゼレンスキーの腰の怪我の回復が思わしくなく、王子役がコルスンツェフに変更になったと表示されていました。案の定またかです…。
オデット・オディール役はザハロワからパヴレンコになりましたが、だいぶ前に変更になったので驚きはしませんでしたが...。
この日も舞台が始まる前にワジーエフさんから事情説明があり、ゼレンスキーも呼び出されてちょっと顔を出しました。

さて舞台ですが、気になることだらけで正直、残念な部分が多かったです。
幕があがると、舞台美術と衣装が変わっていてビックリ。
衣装はゴールドを使い、幾分派手で凝ったつくりでした。以前のシンプルで優雅なものが失われてしまい残念です。それなのに、美術は古びて見えるし、謎だわ…。

主役のパヴレンコさんは、前回来日の時は好印象だったのですが、オデット・オディールの役作り、表現方法には満足できませんでした。
「白鳥」の時はツンとした冷たい雰囲気で、表情や動きに、切ないとかしっとりしたものが見受けられなかったです。
辛い身の上を王子に訴えて、嘆いているようにはとても思えません。表情がとにかく固かったですね。
「黒鳥」ではクレオパトラのように目じりをつり上げたメイクで、笑顔も殆どなく見られず、終始睨みつける演技をして踊っていました。
あんなに恐くては、王子を誘惑なんて出来ないんじゃないかしら?
単に急なパートナー交代で気持ちの余裕がなかっただけかもしれませんが、どうも私には...。

コール・ド・バレエは、前の方で見たせいか、靴音以外に(たぶん)滑り止めがぺたぺたくっついて離れる音がかなり大きく聴こえてしまい集中出来なかったです。

王子はけっこう気のいい優しげなキャラで個性は強くなかったですが、踊りの質が良かったと思います。

キャラクターダンスに関しては、どれも素晴らしくて、バレエ団の実力の高さを感じました。オブラスツォーワ、メルクリエフ、そしてアンドレイ・ヤコヴレフが特に良かったです。
道化のイワノフとロットバルトのシショフ、も盛り上げてくれました。